2010/12/20

楠の会家族ミーティングに参加しました

今年は、福岡の楠の会のメンバーにお誘い頂いて、
そこで、家族機能や共依存のお話をさせていただいたり、
家族ミーティングのコーディネーターをさせいていただいたりしております。


誰かの講演を勉強するより
当事者同士の自助グループの方が、参加者の成長には大切ですよ。
とお伝えしたこともあり、この秋以降はミーティングを定期的に行うことになりました。


昨日は、今年最後の家族ミーティングの日。
遠いところから参加された方もいらっしゃいました。

話すこと。それから、仲間の話を聴くことがとても大切な時間です。
話さなくても、聴くだけでも充分に効きます。


そういえば、福岡楠の会の事務所兼フリースペースには初めて伺いました。
私には、なんだかとても心地が良い場所でした。



2010/12/19

学生のライブ音がいい

ゼミ生がギターを弾くというので、いつも聴いてみたいなあ

と思っていたら。



”ライブが今日あります”
とゼミ生からメールが来ました。



ちょうど、都合も良いので、ゼミ生の演奏の時間に、ライブ会場を偵察。
若者ばかりで、おじさんの存在が目立たないだろうか・・・・と心配していたら。
ライブ会場は真っ暗。






多分、私の存在は、会場を管理するおじさんぐらいに見てもらえたかも。

それにしても、羨ましいです。
音楽が出来る人って。僕も一念発起しようかなあと思った一日でした。


ゼミ生たちの音楽はとても心地が良かったです。
ありがとう。
Merry Christmas!

2010/12/18

講演「ひきこもりとその家族」にご参加ありがとうございます

昨日は、糸島保健福祉事務所にて
講演「ひきこもりとその家族」がありました。


初めて伺う場所だったのですが、いつか来たことがあるような場所にも
思えました。


さて、今回参加してくださった皆様。
お越しいただきありがとうございました。

そして、何より会場をセッティングしていただいた糸島保健福祉事務所の皆様。
ありがとうございました。


今回は、手話通訳付きという講演を初めてさせていただきました。
通訳の方にも感謝です。ありがとうございます。
考えて見れば、私のお話させていただく内容については、手話や筆記で
お伝えする工夫をいつも考えていなければならないと気付かされました。
今回、手話通訳を求めてくださった参加者の方に、お礼を申し上げます。


今回の主要なテーマは、親と子の共依存関係だったのですが、
皆さんのお顔を拝見すると、あれもこれもお伝えしたいことが溢れて参ります。
何より、皆さんが真剣に頷いてくださったりすると、もっともっとお話ししたいと思って、
詰め込みすぎてしまうことが多いのですが、今回も詰め込みすぎた講演になってしまいました。

質問をしたかった皆様には、時間の都合でなかなか質問に対応できなくて
ごめんなさい。
それでも、会場に最後まで残って質問してくださった方。
あなたの勇気に感謝です。(あなたは、もう変わりはじめていますよ。)


また糸島市でお会いできることを願いながら。

2010/12/15

不登校やひきこもりの子を抱えた親のミーティング

福岡県立大学不登校・ひきこもりサポートセンターでは、
不登校やひきこもりのことで悩んでいらっしゃる家族の皆さんのための
家族ミーティングを行っています。

毎月第四土曜日14時~16時に、福岡県立大学1号館で実施中。
今月は、12月ということもあり、18日土曜日に実施ます。

いわゆる、当事者による自助グループ形式の会です。
言いっぱなし、聞きっぱなしの会です。
安心して、ご自身の悩みや不安を語ることができます。


何より、自分ひとりじゃないと安心することができます。
課題の解決には、この家族の何気ない安心がどうしても必要です。


新しい場所に足を運ぶにはどうしても勇気が必要ですが、
大きな変化が生まれます。



あなたのお越しをお待ちしています。

2010/12/13

高血圧に効く○○○○○

最近高血圧で、体調を崩してしまった。
講義で「私、高血圧なんです。」と寂しげにカミングアウトすると。

授業のコメントカードにいっぱいのアドバイス。
高血圧に効く◯◯◯◯のアドバイスが一杯。

黒酢
竹の葉のお茶
セロリ
りんご
玉ねぎの皮を煎じて飲む
。。。。。。などなど。


効果のほどについては、学生たちも責任をとらないらしい。

しかし、これだけの民間療法を全部実行したら低血圧で講義ができなくなるかも。

2010/12/12

ひきこもり研修会のご案内

■□■ ひきこもり研修会 ■□■ 
ひきこもりとその家族 
~ひきこもりと向き合うヒント~ 

現在、6カ月以上外出しない、または自分の趣味に関する用事のときのみ外出する「広義のひきこもり」は、全国で推計69万6000人(15歳~39歳)に上るといわれています 。
家族など、身近なひきこもりで悩んでいたら、お話を聴いてみませんか。 
【日時】12月17日(金)14:00~16:00 (受付13:30) 
【場所】福岡県糸島総合庁舎 2階大会議室(糸島市浦志2-3-1) 
【講師】福岡県立大学大学院 講師 四戸智昭さん(ひきこもりサポートセンター教員スタッフ) 
【対象者】どなたでも参加できます(定員80人) 
【申込期限】12月15日(水) 
【申込方法】電話で申し込んでください。 

▼申し込み・問い合わせ 
糸島保健福祉事務所 健康増進課精神保健係(担当:岩永)(322)3326

2010/12/11

ジョイフルの朝ごはん

◯◯◯◯食堂というのが家のそばにあって、
朝食の準備が大変!!という休日の朝は、決まってここで朝食を摂ります。
焼き魚定食、玉子焼き定食、目玉焼き定食。。。。の小鉢を納豆に変更。
それから、ライスは大、中、小の大をチョイス!
息子とシェアするからです。


でも、
最近は、ジョイフルの朝食にハマり。
なぜって、驚くほど安いからです。
洋食コースが399円。
和食コースが499円。
これで、ドリンクバーが付くから最高です。






そうそう。
外食でも、「いただきます!」の挨拶はとっても大切です。
日本人でヨカッターと思う瞬間ですね。




最近の公園事情

私は第二次ベビーブームの世代。

公園の遊具といえば、溶接の後が残っていて、ペンキが剥げ、錆び付いている
ジャングルジム。

今日、息子と拙宅近くの公園まで散歩。
小学生達がサッカーで盛り上がっている。

そこにある遊具は、何と、






消防車のジャングルジム?
すごいねえ。
最近の遊具は、これで怪我するのは大変だ!

僕は、よくジャングルジムのてっぺんから落ちたもんだが。
枯れ葉が落ちるように。

息子よ、安全って、人から与えられるものではないからね。

2010/12/05

人様の時間、私の時間

(福岡楠の会 ひきこもりの家族会 2010年12月号会報)

福岡県立大学大学院看護学研究科 四戸智昭

○仕事依存症の私
 11月の例会ミーティングには足を運びたいと本心から願っていた私だが、願いは叶わなかった。11月に入ってから北九州→札幌→福岡→熊本→田川という移動を繰り返していたら、体力と気力がすっかり枯渇してしまった。
 ワーカホリック(仕事依存)という言葉があるが、10月以降の私はまさにこの状態だったと気がついた。仕事するのが偉いという意味ではない。仕事ぐらいしておかないと、自分が存在する意味を見出せなかった私の性があった。
せっかくなので、仕事依存症について、若干のコメントをしておきたい。仕事依存症というと、深夜残業をしてまで毎日職場に残っている人を想像しがちだが、仕事依存症の本質は、毎日仕事をしている人の事を指すのではない。
仕事依存とは、仕事とプライベートのオン・オフの切り替えができない人たちの病と言ってもいい。つまり、休みの日なのに頭の中は仕事のことで一杯。あるいは、日曜出勤の代休を月曜日に取得したが、世間は平日なので、罪悪感を感じてしまう。というような状態が仕事依存である。つまり、仕事をしていないときに、仕事のことが頭から離れない状態が仕事依存の状態と言える。

○不登校の子どもたちの昼夜逆転生活
実は、この仕事依存の状態は、不登校の子どもたちの心理状態によく似ていることがある。不登校の子どもたちの様子を聴いていると、授業がある平日は学校にも行けないし、家から一歩も出られない。でも、日曜日や祝日になると、笑顔で安心して公園に遊びにいく。
あるいは、授業がある学期期間中は、昼と夜が逆転の生活をしているが、夏休みになると、この生活が元通りになって明るく生活している。という話も耳にする。
こういった子どもは、世間が休みの期間中は安心して自分も休めるが、学校に行かなければならないときは、安心して休むことができず、頭の中では学校のことで一杯になっていることが多い。

自分の心を守るためには、みんなが学校に行くときは、布団にくるまって寝るしかない。(おじさん達であれば、酒を飲んで酔っ払えばいいが、小学生だとそうはいかない。)逆に、みんなが寝静まった時間に、ひとり自分の存在を確認する安心した時間を持つということになる。
学校の先生方が、不登校の子を抱えた親に対して、「昼と夜の逆転した生活を改めましょう。生活のリズムを整えて、学校に行けるようにしましょう。」というアドバイスをするという話をよく聞く。
これは、実はあべこべなアドバイスをしていることに他ならない。子どもたちは、必要があって昼夜逆転の生活を選択している。そうでもしなければ、この世の中で生き抜いていくことができないのだ。つまり昼夜逆転の生活で自己防衛をしている。

○昼夜逆転がいい
 ひきこもりの課題で苦しんでいらっしゃる方の中にも、昼夜逆転の話題が出てくることが多い。「息子は、昼夜逆転の生活になって20年になりました。」「夜な夜な、美味しそうな料理を作って食べているようです。」「夜は、パソコンばかり見つめています。」などなど。
 私は、昼夜逆転の生活が悪いとは思わない。むしろ、独りで思索に耽ったり、何か原稿を書いたり、映画を楽しんだりするには、とても良い生活パターンだと思う。
 『ゾウの時間とネズミの時間』という名著をご存知だろうか。動物園で見かけるゾウとネズミは、実は全く別の時間感覚の中で生活しているという生物学のお話だが、人間の生活時間もまさにそうだと思う。


誰が、学校は朝8:30からと決めたのか?誰が、昼間は働くべきだと決めたのか?実は、そんなルールは私たちの思い込みの中にしかない。
深夜の時間、工場や医療の現場で労働をしている人たちもいるし、夜に夜間中学で勉強している生徒たちもいる。人様の時間があれば、私の時間があってもいい。だから、私は最近、四戸時間を楽しんでいる。(妻と息子は迷惑のようだが。)

○まず願ってみる
 私が四戸時間を過ごすようになると、学生と面談したり、講義をしたりすることがとても大変なことだと気がついた。つまり、この地球上で、同じ時間に同じ場所で定められた時を学生たちと共に過ごすということが、とても貴重な時間であるという気づきである。
 神様からの贈り物の時間と言ってもいいし、わが師匠はいつも「縁ですなあ~。」と囁いていたことを思い出す。
 さて、気がついたら筆を置く時間になった。縁というタイミングに恵まれたら、12月の例会ミーティングで多くの人と出会いたい。この原稿を書いている瞬間、12月の例会に行きたいという願いは嘘ではなく本当である。

2010/11/05

私が私を受け入れるということ

(福岡楠の会 ひきこもりの家族会 2010年11月号会報)

福岡県立大学大学院 四戸智昭

○あなたの勇気にありがとう
 この場をお借りして、10月の例会ミーティングに参加してくださった仲間の皆さんに、心から「ありがとう」を伝えておきたい。特に、先月号の私のエッセイを読んで、初めて例会に参加してくださった方の勇気は本当にすばらしいものだと思う。翻って、私にもあなたのような勇気があるだろうか?と帰りの車中でひとり考えてしまった。
日常生活に変化を起こそうとするとき、人はその日常から離れるための不安に苛まれる。不安を感じないためには、昨日のような生活を今日も送るということになる。しかし、その選択は、家族内の悩みや対人関係における悩みも、昨日と同じように今日も感じるという選択をすることになってしまうと思う。
明日は、この課題から、あるいはこの悩みから解放されたいと願うなら、自らの日常生活に変化を起こすという選択が必要となる。このとき人には、変化するための大きな勇気が必要になる。例会のミーティングに参加するという行為は、まさしくこのことで、不安ながらもミーティングに参加する方は、現状を心から変えたいという強い願いと勇気が行動に表れたのだと思う。

○参加することも、参加しないこともあなたの自由
 とはいえ、ミーティングに参加したいとは思ったが、参加できなかった人に“勇気”がないかといえば、そうではないと思う。
 現在、あなたが感じている自分の不安感や悩みをそのまま感じて、それでもミーティングには「参加しない」という選択もまた、今のあなたにとって必要な選択なのだと思う。大切なのは、変わろうとするのも、変わらないままこのままで居ようとするのも、あなたの自由であるという自己受容感(自分で自分を受け入れてあげるということ)という気がする。
 だから、家族のことで悩んでいる家族ミーティングでは、あまりルールを設けない方がいい。毎月必ず来なさいとなれば、1回でも休んでしまった人に、その場所はすでに自分自身を受け入れてくれる場所ではなくなってしまう。
 家族ミーティングという空間は、いつあなたが来ても、そのときのあなたを受け止めるという空間であり、また、あなたが来ないときも、あなたを批判するようなことがない空間であり続けて欲しいと私は切に願っている。

○私のタバコ依存症

 変化することの勇気について、抽象的な表現だったので、具体的な例でお示ししたい。私自身の話で恐縮ではあるが、前回のミーティングでは私の話をシェア(分かち合うこと)できなかったから、この場を借りて聞いていただければ有り難い。
 私は、3年ほど前に“禁煙しよう”と思い立った。今思い返すと、看護学部という場所で仕事をしていたから「タバコを吸わない人は勝者で、吸う人は敗者」という価値観を私自身が勝手に持っていたのだと思う。
 結局、その枠組みの中で勝者になりたいと願えば、禁煙するしかなかった。しかし、ニコチン依存症の私にとって、タバコのない世界は恐ろしく怖い。禁煙を宣言してしまえば、禁煙に挫折したとき、さらなる敗者というレッテルを貼られるのではないかと怖くて、職場の仲間にも家族にも何も宣言せずに禁煙に突入してみようと試みた。
 イライラは、2週間続いた。職場では上の空、家に帰ってからは、じっとしていられないので、モップを持って部屋中を強迫的なまでに掃除するしかなかった。家事という仕事(役割?)を奪い取られたかのような妻の顔を今でも思い出す。
 あれから3年が経過して、今のところ、煙によってニコチンは摂取していないが、結局、ニコレットというニコチン入りのガムは噛んでいる。ただ、タバコを吸うという行為から解放されて、たまに思うのは、ああタバコを吸うのも、吸わないのも私の自由な選択に委ねよう。人の目から見た自分を気にしてもキリがないという感覚である。

○自分を受け入れるということ

 家族ミーティングは、自己受容の場所であるとつくづく感じる。それは、他人の目に映る自分を気にしなくてよい場所である。自分の思ったこと、感じたこと、そのままを語っても誰も拒否する場所ではない。
だから、宿題(お願い)というとおこがましいが、自分のためだけに、お金と時間があったならどうするかということを、表現して欲しいと思う。自分の本当の欲求を感じるために、とても簡単な方法だと思っているからである。もちろん、ミーティングの場で「今は表現したくない」という表現もまたあなたの自由だと思う。
あなたが、たった今感じている感情をそのままあるがままに受け止めて、それが今の自分に必要な感情だと思えることが、自分を受け入れることだと思う。くれぐれも、「~しなければならない」という魔力に取り込まれないようにお過ごしいただきたい。
この原稿を書いている今、11月7日。私は仕事の都合で、札幌で美しい紅葉に囲まれながら、この原稿を書いている。福岡に移り住んでから、紅葉がこんなに美しいと思う機会に久しく出会っていなかったから、仕事ながら来てよかったと感じる私がいる。
今月21日の家族ミーティングにも、私は私のために行けたらと祈りつつ、筆を置くことにする。

2010/10/05

あなたはすでに変わろうとしています

(福岡楠の会 ひきこもりの家族会 2010年10月号会報)

福岡県立大学大学院 四戸智昭

○福岡県立大学の家族交流会
 
「あなたはもう変わろうとしてますよ。」と、私は家族交流会の参加者に声をかけることにしている。
家族交流会は、不登校やひきこもりのことで悩んでいる家族が月に一度、毎月第四土曜日の昼下がり(14時から90分間)に、筑豊にある県立大学のキャンパスで語らう会である。
彼らは、この家族交流会で、悩みの種になっている息子や娘との、この一ヶ月間の波乱に満ちた生活のこと、あるいは、子育てのことで感情をぶつけても、なんら反応のない夫の話をゆっくりと、しかし本気で語る。
8人ほどの集まった家族(多くは母であり妻である女性たち)は、吐露したい感情をときに抑えながら、言葉を選びつつ、ときに涙を流しながら、ひきこもってしまった自分の息子や、家族の誰とも会話をしなくなった娘のことを順に語るのだが、この間50分ほどの時間があっという間に過ぎ去ってしまう。
その後、10分ほどの休憩をはさむ。この間も、参加した家族たちは思い思いの近況をお茶を飲みながら語りあう。ときに励まし合ったり、慰め合ったりする彼らの背中を見ていると、この会をコーディネートしている私の方がいつも勇気をいただいている。

○家族への宿題
休憩が終了した後の後半は、毎回、私からの宿題に答えてもらうことにしている。宿題と言っても込み入った作業を必要とするようなものではない。“自分のためだけにお金を使うとしたら何を買うか”“自分のためだけに時間を使うとしたら何がしたいか”といういたって単純な宿題である。
それでも、参加する母たちにとってこの宿題に当初は、誰も簡単に答えることができなかった。
あれは、第一回目の家族交流会だったと思う。ある女性が苦笑いしながら「息子とのことなら何でも、いつまでも話すことができるのですが、自分のためだけにお金や時間を使う話となると、なかなか思いが浮かんできません。」と語ったのを昨日のことのように思い出す。

あれから2年近くが過ぎた今、彼らの多くは自分のためにお金や時間を使う話ができるようになった。もちろん、なかなか実際にお金を使ったり、時間を使ったりと実行に移せないままの人も多い。
それでも中には、実際に自分のためにコンサートに出かけた人もいるし、趣味の料理に没頭して、手作りのお菓子を持参してくれる人もいる。
参加者が思い思いの自分のお金や時間の使い方を話した後、この月に一度の家族交流会は解散となる。

○あなたはすでに変わろうとしています
こういった自助グループ(同じ悩みを抱えた者同士の会)のミーティングは、悩みを抱えている家族の皆さんに大きな勇気と変化へのきっかけを作ってくれる。(自助グループの歴史や効果については、後の機会にお伝えすることにする。)
もちろん、参加者の中にはときにこの自助グループに対して疑問を持たれる方もいる。実際にある参加者で「精神科医や臨床心理士といった専門家でなければ、私の家族の問題は解決できないのに、この会は何の役に立つのですか?」とおっしゃる方もいる。
この質問を発した方は、“誰かが、いつか、私を助けてくれる”と思いこんでいる。つまり、自分から主体的に変わろうとは残念ながら思っていらっしゃらない。愛煙家が禁煙を思い立つときのこと、あるいは美食家がダイエットを思い立つときのことを思い浮かべて欲しい。他人から言われてからはじめた禁煙やダイエットは大抵長続きしない。
一方、この話の冒頭の家族交流会に参加される家族は、何とか現状を変えたいと願いながら、実際にミーティングに、主体的に足を運んでいる。この主体性が何より自分を変化させ、当事者の家族を変化させる。

だから私はいつも呪文のように、会の終わりに参加家族に話しかける「あなたはもう昨日のあなたではありませんよ。あなたは、もう変わろうとしていますよ。」と。
さて、このエッセイの読者も“何とか現状を変えたい!”と願って、この楠の会に繋がった方であると想像する。この会に繋がろうと思ったその瞬間から、あなたはすでに変わろうとしていたのだ。ただ、状況は急激には変化しない。じっくりとゆっくりと、あなたが主体的に変わりたいと願うたびにゆっくりと変わっていく。
楠の会がそのためのミーティングの場になるよう願ってやまないし、私も微力ながらそのお手伝いをしたいと願っている。
次回の楠の会には、勇気を出してあなたから会に足を運んでみませんか。

2010/06/25

改正貸金業法:多重債務者が水面下に見えなくなる

改正貸金業法:多重債務者が助言(2010年6月22日 読売新聞)

読売新聞の取材で、改正貸金業法によって多重債務者がますます水面下に潜り込んでしまうという話をしました。

多重債務というのは、いわゆるショッピング依存やギャンブル依存がこのグループに元々潜んでいます。ショッピング依存やギャンブル依存は病気です。単に、帳簿上の債務を消したとしても、その人の依存的傾向は消えません。

また、改正貸金業法は、金利の上限を設定することで、いわゆるサラ金の商売をしにくくするものですが、ヤミ金はむしろ商売がしやすくなります。

社会から多重債務者をなくすという方向には賛同しますが、このムーブメントは、社会の見た目上の多重債務者を見えなくする動きに他なりません。

お金を使うということに依存している人にとっては、法律改正でますます表向きにはお金を借りれなくなり、アンダーグラウンドな世界に潜んで生活しなければならなくなってしまいます。

多重債務を抱えている人の中には、いわゆる借金依存症の状態があるという認識がますます必要になってくると思います。

2010/03/04

直方市総合計画のための未来会議

福岡県直方市の第4次総合計画を策定するためのお手伝いをしております。

総合計画を策定するために、直方市の計画立案に携わりたい!という市民のボランティアが集まりました。

市民目線での直方市の未来について自由に語り合う会が、この”未来会議”です。
平日のお仕事が終わってから、市庁舎に集まり2時間程の時間、熱心な討論が繰り返されました。





私がグループワークをする時に気を付けているのは、議論の”見える化”です。
話していただいたことを、模造紙にキーワードとして記していきます。

  • ディスカッションが終わったあとも、皆さんの大切な意見を忘れてしまうということが減ります。
  • ディスカッションが、どの話なのか?脱線することを避けます。
  • ディスカッションの最中に、キーワードから新しい意見が繰り広げられます。
ディスカッションした内容についてメンバーが記した模造紙
これを、議論の終わりに壁に貼り付けてまとめを考えている最中です。

ディスカッションは「拡散」→「選択」→「集中」
というふうに、直方市の未来について
「自由に意見を発表」→「未来の優先順位付け」→「最も重要なことの選定」
の順でディスカッションしました。