福岡県立大学で嗜癖行動学を研究している四戸智昭です。
ひきこもりからのサバイバー(生還者)の声に学ぶことが大切だと思い、元ひきこもりのこだまこうじさんにエッセイを書いてもらいました。随時掲載の予定です。
今回は、『あなたはひきこもりですか? それともひきこもり脱出者ですか?』というお話。
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あなたはひきこもりと聞いてどんなイメージを持つでしょうか?
部屋から出ない?
家から出ない?
それとも会社に行ったり学校へ行ったりしない?
サポート施設には通うけれどそれ以上の進展がない?
私の感覚としては 「みんなが仕事をしているのに、学校に行っているのに あなたはそれをしていない」という感覚が今の世間の人のひきこもりの定義のように感じられます。
簡単に言えば仕事がめちゃくちゃ楽しくてめちゃくちゃ充実していて
「一生懸命働くことでこんなにも人生は豊かで幸せなのにそれを体験しない なんてもったいない!!」
と思ってくれているんだろうなぁと感じるわけです。
テレビなんかで「仕事ないときは家に引きこもって出かけたりしないんですよ」と 芸能人の人が言っているのを見ても「ひきこもっている」ことは 楽しくて充実している人生を無駄にしてるという感覚があることがわかります。
そう考えるとひきこもりをサポートする皆さんが外に出ることを進める理由は外の方が幸せだという確固たる意志によるものだとわかります。
ちゃんと「人並みに」幸せになりたいな。
そんなことを思う今日この頃でした。
こだまこうじ (元ひきこもり。1976年福岡県飯塚市生まれ、同市在住。)
<プロフィール> 中学時代いじめ被害、高校で不登校に。その後、最初のひきこもり時代を経験。このとき、「キツイから精神科に連れて行って」と親に泣いて希望するも、完全に無視される。周囲から就労を強要され、専門学校へ入学。その後、就労するも就職先の社員寮で動かなくなっているところを発見され、会社は9か月でクビ。4年間の本格的なひきこもり時代に突入。 その後、保健所の支援でひきこもりから脱出。2009年、保健師にとってまれにみる成功例として福岡県嘉穂・鞍手保健環境事務所の「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーに就任。自立できるほどの収入はないが、ひきこもり当事者家族の話を聴いて支援をすることになる。 しかし、2020年に国や県がひきこもり当事者への就労支援を加速させることになり、「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーとしてのお役御免となる。 「死んで地獄に行ったら、鬼に責め苦を喰らい、極楽に行っても悟った超阿弥陀如来に解脱するまで修行させられる」ことを恐れて、今日も何とか生き延びている。 |