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2026/05/01

—ひきこもりサバイバー101 -ここは避難場所-

  福岡県立大学で嗜癖行動学を研究している四戸智昭です。

ひきこもりからのサバイバー(生還者)の声に学ぶことが大切だと思い、元ひきこもりのこだまこうじさんにエッセイを書いてもらいました。随時掲載の予定です。
今回は、『ひきこもりの継続を強力にする小さな成功体験』というお話。

◆◆◆

100回目を書き終えて、「これからどうしようかな」と天井を見上げました。

もともとここは四戸先生が「なんかあったときは自由に書いていいよ」とくれた苦しいときや辛いときに一息つきに来る場所、愚痴を言ってもいい場所です。

悩んでいるとき、困ったとき、不安なとき、憤ったときじゃないと更新しなくていい場所なので、続いているのだと思います。

毎週更新だ、と思った瞬間に「いつでもきていい自由な場所」は「やらなくてはいけない不自由な場所」に変化してしまうような気がしています。

毎日働いている社会人にっとてみれば、休みは「自由」な日です。

でも、毎日休みなひきこもりの私にとっては休みは「不自由」な日です。

それと似ている気がします。




















こだまこうじ (元ひきこもり。1976年福岡県飯塚市生まれ、同市在住。)


<プロフィール>
 中学時代いじめ被害、高校で不登校に。その後、最初のひきこもり時代を経験。このとき、「キツイから精神科に連れて行って」と親に泣いて希望するも、完全に無視される。周囲から就労を強要され、専門学校へ入学。その後、就労するも就職先の社員寮で動かなくなっているところを発見され、会社は9か月でクビ。4年間の本格的なひきこもり時代に突入。
 その後、保健所の支援でひきこもりから脱出。2009年、保健師にとってまれにみる成功例として福岡県嘉穂・鞍手保健環境事務所の「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーに就任。自立できるほどの収入はないが、ひきこもり当事者家族の話を聴いて支援をすることになる。
 しかし、2020年に国や県がひきこもり当事者への就労支援を加速させることになり、「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーとしてのお役御免となる。
 「死んで地獄に行ったら、鬼に責め苦を喰らい、極楽に行っても悟った超阿弥陀如来に解脱するまで修行させられる」ことを恐れて、今日も何とか生き延びている。

2026/04/24

—ひきこもりサバイバー100 -昔の自分は頑張ってくれている-

      福岡県立大学で嗜癖行動学を研究している四戸智昭です。

ひきこもりからのサバイバー(生還者)の声に学ぶことが大切だと思い、元ひきこもりのこだまこうじさんにエッセイを書いてもらいました。随時掲載の予定です。
今回は、『昔の自分はすごいがんばってたなぁ』というお話。

◆◆◆

実はここ、二年半ぐらいはブログを更新していませんでした。

これまでは、コロナでの自粛が行われていたころに、100回書いてみようと1年ぐらいかけて書きためたものを毎週金曜日公開予約していました。

99回まで書いた後は、「100回目書いて終わらせたい」という思いと
「これが終わったらもうやることがない」という思いがせめぎ合って、動けませんでした。

そして、「99回が公開されそうになったら考えよう」と結論を先延ばしにしました。

「公開されてから」ではなく、「公開されそうになったら」というところが私らしいです。

99回目が近づいてきたので戻ってきたのですが、公開ブログを読んで、

「これは知らない顔をして続けられないぞ」

と思いました。

昔の私が、めちゃくちゃ頑張っていたからです。

二年半前の私は今の私より、ずっと頑張ってブログを続け、ずっと多く悩んで、ずっと真剣に何か答えはないか、何とか自分を許してあげられないかともがいていました。

正直、今の私はそこまで悩めそうにありません・・・

ありがたいことに、西日本新聞で連載を書かせてもらうことになりました。

以前取材をしてくれた山下さんが、ブログの記事を見て声をかけてくれました。

四戸先生も「ぜひやってみたら」と言ってくれたので、やる気になりました。

めちゃくちゃもがいていた二年前の私からの贈り物です。











こだまこうじ (元ひきこもり。1976年福岡県飯塚市生まれ、同市在住。)


<プロフィール>
 中学時代いじめ被害、高校で不登校に。その後、最初のひきこもり時代を経験。このとき、「キツイから精神科に連れて行って」と親に泣いて希望するも、完全に無視される。周囲から就労を強要され、専門学校へ入学。その後、就労するも就職先の社員寮で動かなくなっているところを発見され、会社は9か月でクビ。4年間の本格的なひきこもり時代に突入。
 その後、保健所の支援でひきこもりから脱出。2009年、保健師にとってまれにみる成功例として福岡県嘉穂・鞍手保健環境事務所の「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーに就任。自立できるほどの収入はないが、ひきこもり当事者家族の話を聴いて支援をすることになる。
 しかし、2020年に国や県がひきこもり当事者への就労支援を加速させることになり、「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーとしてのお役御免となる。
 「死んで地獄に行ったら、鬼に責め苦を喰らい、極楽に行っても悟った超阿弥陀如来に解脱するまで修行させられる」ことを恐れて、今日も何とか生き延びている。

2026/04/17

—ひきこもりサバイバー99 -気楽になるとは外に吐き出すこと-

   福岡県立大学で嗜癖行動学を研究している四戸智昭です。

ひきこもりからのサバイバー(生還者)の声に学ぶことが大切だと思い、元ひきこもりのこだまこうじさんにエッセイを書いてもらいました。随時掲載の予定です。
今回は、『ひきこもりの継続を強力にする小さな成功体験』というお話。

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「あと二回で100回行っちゃうなぁ」

そう思うと家ですることがないのに更新するのがおっくうになります。

やると決めて、やらなくてもいいと励まして、それでも進まない。

そんなときは四戸先生に「迷惑かもしれないけど頼るところもないし」と思い、100回で仕事探そうと思っていたけれどそうなると不安になるとメールを送ります。

人に自分の気持ちを送るということは大きな意味があります。

荷物を共有する意識が生まれるのですることができないかもしれないという不安が半分になった気分になります。

両手に荷物を持っていておろおろしているところで「片手の荷物を持ちましょうか」とイケメンが声をかけてくれて片手が開くような気持ちです。

片手が開くとできることが飛躍的に増えます。

人と話をすると楽になるのも後悔するのも「片手が開いたからこそ」です。

もしそれをしなかったら「楽になる」ことも「後悔する」余裕も生まれません。

そんなわけで100回を終わらせてからどうなるか考えようと思い始めました。

なんとかなるなる。












こだまこうじ (元ひきこもり。1976年福岡県飯塚市生まれ、同市在住。)


<プロフィール>
 中学時代いじめ被害、高校で不登校に。その後、最初のひきこもり時代を経験。このとき、「キツイから精神科に連れて行って」と親に泣いて希望するも、完全に無視される。周囲から就労を強要され、専門学校へ入学。その後、就労するも就職先の社員寮で動かなくなっているところを発見され、会社は9か月でクビ。4年間の本格的なひきこもり時代に突入。
 その後、保健所の支援でひきこもりから脱出。2009年、保健師にとってまれにみる成功例として福岡県嘉穂・鞍手保健環境事務所の「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーに就任。自立できるほどの収入はないが、ひきこもり当事者家族の話を聴いて支援をすることになる。
 しかし、2020年に国や県がひきこもり当事者への就労支援を加速させることになり、「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーとしてのお役御免となる。
 「死んで地獄に行ったら、鬼に責め苦を喰らい、極楽に行っても悟った超阿弥陀如来に解脱するまで修行させられる」ことを恐れて、今日も何とか生き延びている。

2026/04/10

—ひきこもりサバイバー98 -仕事をしていないことに慣れることはできるのか?-

   福岡県立大学で嗜癖行動学を研究している四戸智昭です。

ひきこもりからのサバイバー(生還者)の声に学ぶことが大切だと思い、元ひきこもりのこだまこうじさんにエッセイを書いてもらいました。随時掲載の予定です。
今回は、『ひきこもりの継続を強力にする小さな成功体験』というお話。

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腰が悪くなって家で安静にしているために

「このブログが100回を達成したら仕事を探そう」

つまりは

「このブログが100回を達成するまではちゃんと休もう」

という自分との約束が終わろうとしています。

こうなってくると体を休めて力が戻っても、まだ過信しているかもしれないからブログ100回達成を足かせとしておこうという考えが正しかったのかと迷ってしまいます。

「決めていたことだからとやるべきだ!」

「腰を痛めて安静にしている時期だからもう少し待ってもいいだろ!」

「いや何かスキル身に着けないとまた体を酷使して倒れるぞ、もう50近いんだから!」

などといろんな主張が出てきます。

もしかするとそうやって議論ばかりして時間を稼ぐのが作戦目的なのかもしれません。

それならそれに乗ってみてもいいのかもしれません。

不安でいる今を、迷える今を少し面白がりましょう。私。

と自分を励ましてみましょう。

私が何もしなくても世界は動いていきます。

自力本願も他力の中にいてこそ生まれる力なのですからたまにはいいでしょう。












こだまこうじ (元ひきこもり。1976年福岡県飯塚市生まれ、同市在住。)


<プロフィール>
 中学時代いじめ被害、高校で不登校に。その後、最初のひきこもり時代を経験。このとき、「キツイから精神科に連れて行って」と親に泣いて希望するも、完全に無視される。周囲から就労を強要され、専門学校へ入学。その後、就労するも就職先の社員寮で動かなくなっているところを発見され、会社は9か月でクビ。4年間の本格的なひきこもり時代に突入。
 その後、保健所の支援でひきこもりから脱出。2009年、保健師にとってまれにみる成功例として福岡県嘉穂・鞍手保健環境事務所の「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーに就任。自立できるほどの収入はないが、ひきこもり当事者家族の話を聴いて支援をすることになる。
 しかし、2020年に国や県がひきこもり当事者への就労支援を加速させることになり、「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーとしてのお役御免となる。
 「死んで地獄に行ったら、鬼に責め苦を喰らい、極楽に行っても悟った超阿弥陀如来に解脱するまで修行させられる」ことを恐れて、今日も何とか生き延びている。

2026/04/03

—ひきこもりサバイバー97 -ひきこもりが見る夢とは?-

   福岡県立大学で嗜癖行動学を研究している四戸智昭です。

ひきこもりからのサバイバー(生還者)の声に学ぶことが大切だと思い、元ひきこもりのこだまこうじさんにエッセイを書いてもらいました。随時掲載の予定です。
今回は、『ひきこもりの継続を強力にする小さな成功体験』というお話。

◆◆◆

腰の痛みがなくなってきました。

よいことです。

この二か月で身についたのは早寝早起き。

悪夢への耐性です。

そういえば最初にひきこもっていたとき

「暗く息苦しい教室で授業を受けさせられている」夢をよく見ていました。

よっぽど嫌だったのか障碍者雇用で働き始めてからも疲れてくると同じ夢を繰り返し見ていた気がします。

果たして「学校がいやだったのか」、「勉強が嫌いだったのか」、「それとも頭が悪くて努力も苦手なので勉強ができないことが耐えられなかったのか」、「目的もなく親のどこでもいいから大学には行っておきなさいが嫌だったのか」、「体が弱いので課外授業とか負担が大きくてつらかったのか」、「夢と希望にあふれた学友たちの姿についていけなかったのか」、「ただのコミュ力不足だったのか」はわかりませんがよく同じ夢を見ました。

夢が「ちゃんと考えて答えを見つけてよ」と主張していたのかもしれませんがこうやって腰が痛くなって考える時間ができるまで私には夢と向き合う力がありませんでした。

ちゃんと向き合ってみると何だかんだ言って「学生時代」というのは青春だったのだろうと思えます。

若いので感性が鋭く、主観的なパワーが強いので「強制」させらているとその感覚が強烈に残ります。

おそらく脳が体がピンチのときに警告として生涯で一番強烈なイメージがある「暗く息苦しい部屋で授業を受ける」姿と体験を選択して夢という形で使ってくるのでしょう。

そうなると私の脳は現在、「無職」であるということに強烈なメッセージを送っていると判断していいでしょう。

そう考えると「夢で見たからイライラする、不安になる」ということは健康のために、必要なことなのかもしれません。

それに気づけるように私の脳は頑張ってくれて休みを取れた私は気づけた。

すばらしいことだと思えます。












こだまこうじ (元ひきこもり。1976年福岡県飯塚市生まれ、同市在住。)


<プロフィール>
 中学時代いじめ被害、高校で不登校に。その後、最初のひきこもり時代を経験。このとき、「キツイから精神科に連れて行って」と親に泣いて希望するも、完全に無視される。周囲から就労を強要され、専門学校へ入学。その後、就労するも就職先の社員寮で動かなくなっているところを発見され、会社は9か月でクビ。4年間の本格的なひきこもり時代に突入。
 その後、保健所の支援でひきこもりから脱出。2009年、保健師にとってまれにみる成功例として福岡県嘉穂・鞍手保健環境事務所の「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーに就任。自立できるほどの収入はないが、ひきこもり当事者家族の話を聴いて支援をすることになる。
 しかし、2020年に国や県がひきこもり当事者への就労支援を加速させることになり、「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーとしてのお役御免となる。
 「死んで地獄に行ったら、鬼に責め苦を喰らい、極楽に行っても悟った超阿弥陀如来に解脱するまで修行させられる」ことを恐れて、今日も何とか生き延びている。

2026/03/27

—ひきこもりサバイバー96 -部屋が本で埋まっていく-

   福岡県立大学で嗜癖行動学を研究している四戸智昭です。

ひきこもりからのサバイバー(生還者)の声に学ぶことが大切だと思い、元ひきこもりのこだまこうじさんにエッセイを書いてもらいました。随時掲載の予定です。
今回は、『ひきこもりの継続を強力にする小さな成功体験』というお話。

◆◆◆

「雇用保険の認定日」に父の車にゆられてそろそろとハローワークに行かないといけない頃には「どうせ家から出られないから」と購入した本で部屋がいっぱいになっていました。

布団を敷くスペース以外に配送段ボールにうずたかく積まれた本の山がいくつもできています。

読みたい本をポチポチしていたらあっという間にこうなりました。

即日配送恐るべし。

ネットポチポチ恐るべしです。

もう掃除機とか持って上がる力は戻りつつあるのですが「この部屋どうしよう」です。

買って読めていない本がたくさんあります。

こうなったら「捨てる技術」系の本でも・・・とさらに本が増えそうです。

そして就職してもいないのに仕事をもらえなくて首になる夢を見たりしてうつうつとした気分で目覚めることが多くなりました。

状況から考えて寝る前のつまみ食いやスマホでSNSを見た影響、それから気温の変化のふり幅で体が冷えたなどが原因でしょうがそれが「無職」に結びつくあたりは気を付けた方がいいかもしれません。

無理はしないように私。

一に健康、二に深呼吸、心に逆らい慌てるとろくなコトはないのだから。













こだまこうじ (元ひきこもり。1976年福岡県飯塚市生まれ、同市在住。)


<プロフィール>
 中学時代いじめ被害、高校で不登校に。その後、最初のひきこもり時代を経験。このとき、「キツイから精神科に連れて行って」と親に泣いて希望するも、完全に無視される。周囲から就労を強要され、専門学校へ入学。その後、就労するも就職先の社員寮で動かなくなっているところを発見され、会社は9か月でクビ。4年間の本格的なひきこもり時代に突入。
 その後、保健所の支援でひきこもりから脱出。2009年、保健師にとってまれにみる成功例として福岡県嘉穂・鞍手保健環境事務所の「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーに就任。自立できるほどの収入はないが、ひきこもり当事者家族の話を聴いて支援をすることになる。
 しかし、2020年に国や県がひきこもり当事者への就労支援を加速させることになり、「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーとしてのお役御免となる。
 「死んで地獄に行ったら、鬼に責め苦を喰らい、極楽に行っても悟った超阿弥陀如来に解脱するまで修行させられる」ことを恐れて、今日も何とか生き延びている。

2026/03/20

—ひきこもりサバイバー95 -眠気があるか? NO-

   福岡県立大学で嗜癖行動学を研究している四戸智昭です。

ひきこもりからのサバイバー(生還者)の声に学ぶことが大切だと思い、元ひきこもりのこだまこうじさんにエッセイを書いてもらいました。随時掲載の予定です。
今回は、『ひきこもりの継続を強力にする小さな成功体験』というお話。

◆◆◆

腰痛で一か月くらいはぼーっとしていましたが何もしないわけではありませんでした。

全く動けないわけではなく日常の軽い動作くらいはできます。

布団を毎日あげるのはちょっとずっしり来ますが朝の太陽にさらすくらいはします。

もっとも眠たくなると回収して横になります。

少し動けるのはロキソニンのおかげです。

まだ掃除機を二階に持って上がってかけるのは無理です。

ともあれ二か月もたつと「そろそろ外に出ても大丈夫かなぁ」という感じになりました。

ちょっとだけですが。

いつももごろごろして寝ていたせいか、睡眠チェックシートにある「眠気はあるか?」の欄にYesをチェックすることはなくなりました。

「眠気はあるか?」「NO」です。

動けるようになったら何をしようかと考えます。

ただ経験上、紙に書いておかないとやらないのでいろいろ書いています。

まずはお猫様にお礼参りにいきたいですね。

「いろいろ学びをありがとう」と・・・













こだまこうじ (元ひきこもり。1976年福岡県飯塚市生まれ、同市在住。)


<プロフィール>
 中学時代いじめ被害、高校で不登校に。その後、最初のひきこもり時代を経験。このとき、「キツイから精神科に連れて行って」と親に泣いて希望するも、完全に無視される。周囲から就労を強要され、専門学校へ入学。その後、就労するも就職先の社員寮で動かなくなっているところを発見され、会社は9か月でクビ。4年間の本格的なひきこもり時代に突入。
 その後、保健所の支援でひきこもりから脱出。2009年、保健師にとってまれにみる成功例として福岡県嘉穂・鞍手保健環境事務所の「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーに就任。自立できるほどの収入はないが、ひきこもり当事者家族の話を聴いて支援をすることになる。
 しかし、2020年に国や県がひきこもり当事者への就労支援を加速させることになり、「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーとしてのお役御免となる。
 「死んで地獄に行ったら、鬼に責め苦を喰らい、極楽に行っても悟った超阿弥陀如来に解脱するまで修行させられる」ことを恐れて、今日も何とか生き延びている。

2026/03/13

—ひきこもりサバイバー94 -家から動かない一か月-

   福岡県立大学で嗜癖行動学を研究している四戸智昭です。

ひきこもりからのサバイバー(生還者)の声に学ぶことが大切だと思い、元ひきこもりのこだまこうじさんにエッセイを書いてもらいました。随時掲載の予定です。
今回は、『ひきこもりの継続を強力にする小さな成功体験』というお話。

◆◆◆

即日配達。

それはなんと素晴らしいことでしょう。

腰が痛い一か月の間、私はアマゾンで読みたい新刊本を購入して家で読み、寝るという作業療法(笑)を繰り返していました。

お家時間をウーバーイーツやお取り寄せグルメで楽しんでいたという都会の方々の気持ちがちょっとわかったような気がします。

告白しますが私はネット購入で即日配達のためにお金を出すなんて馬鹿らしいと思っていました。

しかし本気で動けなくなるとコンビニまで歩くことが「痛く」なるとちょっとくらいいいじゃないかと思ってしまいます。

三日家から一歩も出ないで布団の中にいた私は読みたい本を、すぐに家まで届けてくれる即日配達を利用しまくるようになりました。

スマホ使えと言われそうですが紙媒体の方が読みながら寝落ちできるので紙の本を買ってしまいます。

ほら、あおむけで本を読んでいて眠たくなってスマホが顔面直撃したらどうなるか想像してください。

うとうと顔面にガツン!

うとうと落としてガシャン!

あとブルーライトで眠れないとかも考えると。

古い人間の私が、電子書籍より紙の本を選ぶ正統っぽい理由にはできます。

ともあれ、仏様にお茶、メシ、ゆっくり布団に入る、本を読みつつ寝る、メシ、風呂、寝るの生活が一月ぐらい続きました。

オーバーワーク恐るべしです。

皆さんも肉体のオーバーワークはもとより頭脳のオーバーワークにもお気を付けください。

何とかなるなる。

昔の言葉でいうとケ、セラ、セラ。















こだまこうじ (元ひきこもり。1976年福岡県飯塚市生まれ、同市在住。)


<プロフィール>
 中学時代いじめ被害、高校で不登校に。その後、最初のひきこもり時代を経験。このとき、「キツイから精神科に連れて行って」と親に泣いて希望するも、完全に無視される。周囲から就労を強要され、専門学校へ入学。その後、就労するも就職先の社員寮で動かなくなっているところを発見され、会社は9か月でクビ。4年間の本格的なひきこもり時代に突入。
 その後、保健所の支援でひきこもりから脱出。2009年、保健師にとってまれにみる成功例として福岡県嘉穂・鞍手保健環境事務所の「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーに就任。自立できるほどの収入はないが、ひきこもり当事者家族の話を聴いて支援をすることになる。
 しかし、2020年に国や県がひきこもり当事者への就労支援を加速させることになり、「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーとしてのお役御免となる。
 「死んで地獄に行ったら、鬼に責め苦を喰らい、極楽に行っても悟った超阿弥陀如来に解脱するまで修行させられる」ことを恐れて、今日も何とか生き延びている。

2026/03/06

—ひきこもりサバイバー93 -布団ひきこもりは難しい-

   福岡県立大学で嗜癖行動学を研究している四戸智昭です。

ひきこもりからのサバイバー(生還者)の声に学ぶことが大切だと思い、元ひきこもりのこだまこうじさんにエッセイを書いてもらいました。随時掲載の予定です。
今回は、『ひきこもりの継続を強力にする小さな成功体験』というお話。

◆◆◆

腰を痛めたので、まったく家から出ない生活に入ることになりました。

朝の散歩で体内時計を整えるのは、窓から入る朝日での日光浴に切り替え、食事の時間はきっちり守るのですが、あぐらをかくと腰がじんわりと痛むので、そのほかの時間は基本布団で横になっています。

自転車で外をうろうろ(30分)とフィットボクシング2(45分)がやろうと思ってもできないので無理な運動は強制排除です。

しないと不安でしたが「腰のズキン」を思うと「オーバーワーク」の重さが実感されます。

お相撲さんが痛々しい姿で土俵に出るのを見て

「ケガしているのに無理してでなくてもいいのに」

と思っていましたが今は

「無理して出ることができるなんてすごいな」

と思います。

「何年も頑張って習慣化したらしないことが大変なんだろうな」

とも。

そして私は三日目にして「家にじっとしているのがつらく」なってきました。

ちょっとでも外に出たい。

コンビニでいいから。

そんな気持ちになります。

布団の中ではあおむけになって腰に負担がかからないように膝を立てています。


そういえば完全ひきこもりのときは本を開いてぼんやりしてたっけ。

そして私は本を開き、目が疲れて寝るということを繰り返すことになります。

違う点は同じ本を意味が分からずに眺めるのではなく、新しい本を手に取っていること。

気分が落ち込む前に寝ちゃうこと。

心の疲れは体の疲れ。

体の疲れは心の疲れ。

そんなことを思いつつ、すやすや眠っています。














こだまこうじ (元ひきこもり。1976年福岡県飯塚市生まれ、同市在住。)


<プロフィール>
 中学時代いじめ被害、高校で不登校に。その後、最初のひきこもり時代を経験。このとき、「キツイから精神科に連れて行って」と親に泣いて希望するも、完全に無視される。周囲から就労を強要され、専門学校へ入学。その後、就労するも就職先の社員寮で動かなくなっているところを発見され、会社は9か月でクビ。4年間の本格的なひきこもり時代に突入。
 その後、保健所の支援でひきこもりから脱出。2009年、保健師にとってまれにみる成功例として福岡県嘉穂・鞍手保健環境事務所の「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーに就任。自立できるほどの収入はないが、ひきこもり当事者家族の話を聴いて支援をすることになる。
 しかし、2020年に国や県がひきこもり当事者への就労支援を加速させることになり、「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーとしてのお役御免となる。
 「死んで地獄に行ったら、鬼に責め苦を喰らい、極楽に行っても悟った超阿弥陀如来に解脱するまで修行させられる」ことを恐れて、今日も何とか生き延びている。

2026/02/20

—ひきこもりサバイバー92 -猫カフェそのあとに-

     福岡県立大学で嗜癖行動学を研究している四戸智昭です。

ひきこもりからのサバイバー(生還者)の声に学ぶことが大切だと思い、元ひきこもりのこだまこうじさんにエッセイを書いてもらいました。随時掲載の予定です。
今回は、『ひきこもりの継続を強力にする小さな成功体験』というお話。

◆◆◆

お猫様禅師の教えを受け、とても衝撃を受けた私はお猫様のようになろうと決意しました。

そうもうとにかくごろごろする。

徹底的にごろごろする。

睡眠時間の記録とかも、とうぶんほっぽり出して天地自然の流れも社会の流れも気にせずにお猫様になった気分でごろごろしたり、爪跡残したり、椅子の下からおもちゃの魚をこそっと確保したりすると決めました。

決めましたが「ちゃんと朝起きて公園に・・・」と動いてしまうのが凡人です。

しかしここで天啓がありました。

靴下をはこうと足をあげたとたんに

「腰に激痛」


その場から一歩も動けないほどではありませんでしたが、靴下を履きそこなって床に足をつくとずきずきと痛みが走ります。

そっと足を動しても角度によっては「痛い」。

こうして私は家からでることが難しくなりました。

階段上るのが痛いです。

布団を持ち上げると痛いです。

椅子に座った時の姿勢に注意です。

こうしてお猫様の一喝で私は無理な運動なんてできなくなりました。

猫カフェに行った次の日というタイミングは絶妙でした。















こだまこうじ (元ひきこもり。1976年福岡県飯塚市生まれ、同市在住。)


<プロフィール>
 中学時代いじめ被害、高校で不登校に。その後、最初のひきこもり時代を経験。このとき、「キツイから精神科に連れて行って」と親に泣いて希望するも、完全に無視される。周囲から就労を強要され、専門学校へ入学。その後、就労するも就職先の社員寮で動かなくなっているところを発見され、会社は9か月でクビ。4年間の本格的なひきこもり時代に突入。
 その後、保健所の支援でひきこもりから脱出。2009年、保健師にとってまれにみる成功例として福岡県嘉穂・鞍手保健環境事務所の「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーに就任。自立できるほどの収入はないが、ひきこもり当事者家族の話を聴いて支援をすることになる。
 しかし、2020年に国や県がひきこもり当事者への就労支援を加速させることになり、「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーとしてのお役御免となる。
 「死んで地獄に行ったら、鬼に責め苦を喰らい、極楽に行っても悟った超阿弥陀如来に解脱するまで修行させられる」ことを恐れて、今日も何とか生き延びている。

2026/02/13

—ひきこもりサバイバー91 -お猫様は救世主-

     福岡県立大学で嗜癖行動学を研究している四戸智昭です。

ひきこもりからのサバイバー(生還者)の声に学ぶことが大切だと思い、元ひきこもりのこだまこうじさんにエッセイを書いてもらいました。随時掲載の予定です。
今回は、『ひきこもりの継続を強力にする小さな成功体験』というお話。

◆◆◆

悩みに悩んだ末に自転車に乗り、足でこぎだすと悩む暇がなくなります。

体力もそうですがその操作に頭を使います。

悩みに頭を使っていたら電柱に肩をぶつけたり、路肩に乗り上げてこけたりと痛い目にあってきました。

自転車をこいでいる間は危なすぎて悩んでいられないと仕事をやめて、自転車に乗り始めて何度もこけることで、体に叩き込まれました。

自分で失敗してこけたりしているので痛みを人のせいにもできません。

「まるで人生のようだ」なんて思ったりします。

人のせいにしても何もならない。

ともあれ猫カフェについてびくびくしながら「初めてなんですけど」とか言って注意事項を教えてもらいます。

その日はぽかぽか陽気で昼過ぎだったのでお猫様たちはお眠りあそばしています。

床でトランプ広げたみたいにきれいに白い丸になって気持ちよさそうに目を閉じているお猫様やキャットウォークの上で落ちそうになっているのに気にせず、寝ているお猫様。

果ては壁に頭突きをした態勢で動かないお猫様まで。

それを見ていると「こんなに見事に何もしないとはすごいなぁ」と感心してしまいました。

眠っている宝蔵院流宗氏に手出しできなかった宮本武蔵な気分です。

簡単に言えば「これぐらい堂々と寝てみたいなぁ」と感銘を受けました。

お猫様悟っているのでは?

と思うレベルの思い切りの良さです。

文字通り私の膝に爪跡を残した超わんぱくなお猫様もいたわけですが私は眠りお猫様たちにいろいろと教えられた気がしました。

人間って無理してるにゃー。














こだまこうじ (元ひきこもり。1976年福岡県飯塚市生まれ、同市在住。)


<プロフィール>
 中学時代いじめ被害、高校で不登校に。その後、最初のひきこもり時代を経験。このとき、「キツイから精神科に連れて行って」と親に泣いて希望するも、完全に無視される。周囲から就労を強要され、専門学校へ入学。その後、就労するも就職先の社員寮で動かなくなっているところを発見され、会社は9か月でクビ。4年間の本格的なひきこもり時代に突入。
 その後、保健所の支援でひきこもりから脱出。2009年、保健師にとってまれにみる成功例として福岡県嘉穂・鞍手保健環境事務所の「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーに就任。自立できるほどの収入はないが、ひきこもり当事者家族の話を聴いて支援をすることになる。
 しかし、2020年に国や県がひきこもり当事者への就労支援を加速させることになり、「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーとしてのお役御免となる。
 「死んで地獄に行ったら、鬼に責め苦を喰らい、極楽に行っても悟った超阿弥陀如来に解脱するまで修行させられる」ことを恐れて、今日も何とか生き延びている。