福岡県立大学で嗜癖行動学を研究している四戸智昭です。
ひきこもりからのサバイバー(生還者)の声に学ぶことが大切だと思い、元ひきこもりのこだまこうじさんにエッセイを書いてもらいました。随時掲載の予定です。
今回は、『ひきこもりの継続を強力にする小さな成功体験』というお話。
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「あと二回で100回行っちゃうなぁ」
そう思うと家ですることがないのに更新するのがおっくうになります。
やると決めて、やらなくてもいいと励まして、それでも進まない。
そんなときは四戸先生に「迷惑かもしれないけど頼るところもないし」と思い、100回で仕事探そうと思っていたけれどそうなると不安になるとメールを送ります。
人に自分の気持ちを送るということは大きな意味があります。
荷物を共有する意識が生まれるのですることができないかもしれないという不安が半分になった気分になります。
両手に荷物を持っていておろおろしているところで「片手の荷物を持ちましょうか」とイケメンが声をかけてくれて片手が開くような気持ちです。
片手が開くとできることが飛躍的に増えます。
人と話をすると楽になるのも後悔するのも「片手が開いたからこそ」です。
もしそれをしなかったら「楽になる」ことも「後悔する」余裕も生まれません。
そんなわけで100回を終わらせてからどうなるか考えようと思い始めました。
なんとかなるなる。
こだまこうじ (元ひきこもり。1976年福岡県飯塚市生まれ、同市在住。)
<プロフィール> 中学時代いじめ被害、高校で不登校に。その後、最初のひきこもり時代を経験。このとき、「キツイから精神科に連れて行って」と親に泣いて希望するも、完全に無視される。周囲から就労を強要され、専門学校へ入学。その後、就労するも就職先の社員寮で動かなくなっているところを発見され、会社は9か月でクビ。4年間の本格的なひきこもり時代に突入。 その後、保健所の支援でひきこもりから脱出。2009年、保健師にとってまれにみる成功例として福岡県嘉穂・鞍手保健環境事務所の「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーに就任。自立できるほどの収入はないが、ひきこもり当事者家族の話を聴いて支援をすることになる。 しかし、2020年に国や県がひきこもり当事者への就労支援を加速させることになり、「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーとしてのお役御免となる。 「死んで地獄に行ったら、鬼に責め苦を喰らい、極楽に行っても悟った超阿弥陀如来に解脱するまで修行させられる」ことを恐れて、今日も何とか生き延びている。 |

