2026/08/07

—ひきこもりサバイバー115 -先輩と後輩の話-

 福岡県立大学で嗜癖行動学を研究している四戸智昭です。

ひきこもりからのサバイバー(生還者)の声に学ぶことが大切だと思い、元ひきこもりのこだまこうじさんにエッセイを書いてもらいました。随時掲載の予定です。
今回は、『ひきこもりの継続を強力にする小さな成功体験』というお話。

◆◆◆

冊子は、ほぼお母さん向けです。

しかし、こっそり、ひきこもり相談窓口に連れてこられたお父さんの悲哀なんかも入っています(笑)

退職したお父さんは、お母さんが二十年前に克服したことに、びっくりして深刻な顔をして悩み込むのは当たり前。

だって二十年前はお母さんもそうだったでしょ?

今のお母さんが細かく説明できることでも、二十年前は説明できなかったでしょ?

経験値が違うんだもの。

初めての相談窓口で説明できずにまごまごしているお父さんを責めないで、暖かく見守ってあげてくださいね。

きっと「ダダのサボりだろ」と言われてイラっとしたお母さん以上に不安でおろおろしてますよ。

そういう気づきも入っています。

相談窓口で必要以上に、突っかかってくるお父さんは頑張らないと、あとでお母さんに怒られるのです!!

なので、お母さんはお父さんを怒るときには、後輩を指導するときのような丁寧なやりかたでよろしくお願いします(笑)

そしてお父さんには、二十年選手のお母さんが子供とちゃんと話せるまでにした苦労をしていないんだから「何で、私とは話してくれないんだ」とかいうのは二十年早い!!

定年後は、仕事がなくなって、いろいろと不安になるだろうけれど、ちゃんと先輩のお母さんの指示を仰ぐように・・・

つらいときは「あのときはサボりとか言ってごめん。いいやり方があったら教えてくれ先輩」と素直に・・・

個人的な体験からの見解ですが、定年後の数年というのはとても不安になります。

次の仕事がない状態ではどんな無茶でもやるべきだと思いがちです。

しかし、そういう状態の無茶は本当に無茶苦茶な場合があるので気をつけた方がいいのではないかと考えています。

仕事をしている間は苦しくても(お母さん任せで良かったという部分はあるにしても)、耐えられたのですから、きちんとやることを見つけられれば、きっとその不安な心も安定します。

子供の心配でいっぱいになったら、自分を癒しましょう。

お母さんもそうだけど、後輩のお父さんもかなり大変なんです。



こだまこうじ (元ひきこもり。1976年福岡県飯塚市生まれ、同市在住。)


<プロフィール>
 中学時代いじめ被害、高校で不登校に。その後、最初のひきこもり時代を経験。このとき、「キツイから精神科に連れて行って」と親に泣いて希望するも、完全に無視される。周囲から就労を強要され、専門学校へ入学。その後、就労するも就職先の社員寮で動かなくなっているところを発見され、会社は9か月でクビ。4年間の本格的なひきこもり時代に突入。
 その後、保健所の支援でひきこもりから脱出。2009年、保健師にとってまれにみる成功例として福岡県嘉穂・鞍手保健環境事務所の「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーに就任。自立できるほどの収入はないが、ひきこもり当事者家族の話を聴いて支援をすることになる。
 しかし、2020年に国や県がひきこもり当事者への就労支援を加速させることになり、「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーとしてのお役御免となる。
 「死んで地獄に行ったら、鬼に責め苦を喰らい、極楽に行っても悟った超阿弥陀如来に解脱するまで修行させられる」ことを恐れて、今日も何とか生き延びている。

2026/07/31

—ひきこもりサバイバー114 -社協メール-

       福岡県立大学で嗜癖行動学を研究している四戸智昭です。

ひきこもりからのサバイバー(生還者)の声に学ぶことが大切だと思い、元ひきこもりのこだまこうじさんにエッセイを書いてもらいました。随時掲載の予定です。
今回は、『ひきこもりの継続を強力にする小さな成功体験』というお話。

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ひきこもりの子供に包丁を持って襲い掛かった父親が返り討ちにされたニュースを見てから、ひきこもりについて気づいたことを社協にメールするようになりました。

覚悟を決めて襲い掛かってきた親を返り討ちにして、両方が生き残ったという現実は衝撃的でした。

それまでは親が覚悟を決めたら大人しく殺されてあげるのが子供の務めみたいなイメージだったので、救われました。

殺された親は可哀そうで、殺した親も可哀そう。

殺された子供は可哀そうで、殺した子供も可哀そう。

ゼロサムゲーム。

そんな中、ひきこもりの子供が反撃しての痛み分け。

どっちも生き残るという選択。


親も子も両方生き伸びてオッケーだよ!!

ありがたいです。全国のひきこもりの人に知ってほしい知恵です。

このニュースに衝撃を受け、大浦さんにメールしました。

そして、けっこういいと褒めてもらい冊子にまでしてもらったので、調子に乗って今もこういうこまごまとした気づきを送り続けています。

なんとすでに五冊目に入っています。

コツコツ毎日やるのは苦手ですが、気が向いたときにコツコツはできる。

これこそが、ひきこもり気質もしれません。 
























こだまこうじ (元ひきこもり。1976年福岡県飯塚市生まれ、同市在住。)


<プロフィール>
 中学時代いじめ被害、高校で不登校に。その後、最初のひきこもり時代を経験。このとき、「キツイから精神科に連れて行って」と親に泣いて希望するも、完全に無視される。周囲から就労を強要され、専門学校へ入学。その後、就労するも就職先の社員寮で動かなくなっているところを発見され、会社は9か月でクビ。4年間の本格的なひきこもり時代に突入。
 その後、保健所の支援でひきこもりから脱出。2009年、保健師にとってまれにみる成功例として福岡県嘉穂・鞍手保健環境事務所の「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーに就任。自立できるほどの収入はないが、ひきこもり当事者家族の話を聴いて支援をすることになる。
 しかし、2020年に国や県がひきこもり当事者への就労支援を加速させることになり、「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーとしてのお役御免となる。
 「死んで地獄に行ったら、鬼に責め苦を喰らい、極楽に行っても悟った超阿弥陀如来に解脱するまで修行させられる」ことを恐れて、今日も何とか生き延びている。