2026/01/30

—ひきこもりサバイバー89 -猫カフェその前に-

     福岡県立大学で嗜癖行動学を研究している四戸智昭です。

ひきこもりからのサバイバー(生還者)の声に学ぶことが大切だと思い、元ひきこもりのこだまこうじさんにエッセイを書いてもらいました。随時掲載の予定です。
今回は、『ひきこもりの継続を強力にする小さな成功体験』というお話。

◆◆◆


猫カフェの営業日が近づいてくると

「行くか」 「行かないか」

「行けるのか」 「行けないのか」

などと考えてしまいます。

ひきこもり気味の頭は疲れた心の象徴で

「自信を持ってこれをやる」

という決断を実行できるという理由づくりが大変になります。

たとえばキャンプに行こうと決めていてその日に「雨」が降ったらどうでしょうか?

慣れている方はともかく初めてのときは「やめておこう」となります。

雨具まで完璧だったとしても「そこまでしなくても」とおもってしまいます。

長靴で水たまりをバシャバシャできるから雨が楽しかった心は、ひきこもり気味な心とは正反対です。

子供のやりたいに「夢みたいなことを」と思ってしまう大人の気持ちです。

ともあれ他にやることも見つけられない私は慣れ親しんだ「一回だけ」ということを思います。

「一回だけ行けばいい」

そんなことを考えながら日々を過ごします。

「ふつう」より15分「おもい」運動でたまった疲れに猫さんが上乗せです。

明日は猫カフェ営業日。

あれ、なんでフィットボクシング2やってるんだろう?












こだまこうじ (元ひきこもり。1976年福岡県飯塚市生まれ、同市在住。)


<プロフィール>
 中学時代いじめ被害、高校で不登校に。その後、最初のひきこもり時代を経験。このとき、「キツイから精神科に連れて行って」と親に泣いて希望するも、完全に無視される。周囲から就労を強要され、専門学校へ入学。その後、就労するも就職先の社員寮で動かなくなっているところを発見され、会社は9か月でクビ。4年間の本格的なひきこもり時代に突入。
 その後、保健所の支援でひきこもりから脱出。2009年、保健師にとってまれにみる成功例として福岡県嘉穂・鞍手保健環境事務所の「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーに就任。自立できるほどの収入はないが、ひきこもり当事者家族の話を聴いて支援をすることになる。
 しかし、2020年に国や県がひきこもり当事者への就労支援を加速させることになり、「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーとしてのお役御免となる。
 「死んで地獄に行ったら、鬼に責め苦を喰らい、極楽に行っても悟った超阿弥陀如来に解脱するまで修行させられる」ことを恐れて、今日も何とか生き延びている。

2026/01/23

—ひきこもりサバイバー88 -ふと思い出した猫カフェ-

    福岡県立大学で嗜癖行動学を研究している四戸智昭です。

ひきこもりからのサバイバー(生還者)の声に学ぶことが大切だと思い、元ひきこもりのこだまこうじさんにエッセイを書いてもらいました。随時掲載の予定です。
今回は、『ひきこもりの継続を強力にする小さな成功体験』というお話。

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うろうろしているとふと保健師さんから聞いた「猫カフェ」の話を思い出しました。

せっかくだから猫カフェにでも行こう。

そんなことを思います。

場所をスマホで検索して自転車を走らせ、疲れたら手押しします。

あっちへ行ったり、こっちへ来たり、ナビに従っているつもりが逆方向へ行っていたり、見逃して通り過ぎていたり、とても大変でした。

そして猫カフェにつくと「コロナ禍なので営業日が変わっていて営業していない」という現実。

丁寧な対応のおかげで「ホームページには記載されていない現在の営業日を確認」できてその日に来ようと思います。

営業している店で遅めの昼食を取り、帰りにパチンコで負けました。

昼食後にトイレに行きたくなったけど店のトイレが使用中で駆け込んだパチンコ店で惨敗です。

せっかく『猫カフェ』いったのに開いてないという気持ちがあって、イライラしていたのかもしれません。

「新しい」ことを「やる」のは大変なことなのです。















こだまこうじ (元ひきこもり。1976年福岡県飯塚市生まれ、同市在住。)


<プロフィール>
 中学時代いじめ被害、高校で不登校に。その後、最初のひきこもり時代を経験。このとき、「キツイから精神科に連れて行って」と親に泣いて希望するも、完全に無視される。周囲から就労を強要され、専門学校へ入学。その後、就労するも就職先の社員寮で動かなくなっているところを発見され、会社は9か月でクビ。4年間の本格的なひきこもり時代に突入。
 その後、保健所の支援でひきこもりから脱出。2009年、保健師にとってまれにみる成功例として福岡県嘉穂・鞍手保健環境事務所の「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーに就任。自立できるほどの収入はないが、ひきこもり当事者家族の話を聴いて支援をすることになる。
 しかし、2020年に国や県がひきこもり当事者への就労支援を加速させることになり、「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーとしてのお役御免となる。
 「死んで地獄に行ったら、鬼に責め苦を喰らい、極楽に行っても悟った超阿弥陀如来に解脱するまで修行させられる」ことを恐れて、今日も何とか生き延びている。

2026/01/16

—ひきこもりサバイバー87 -慣れきれないのでうろうろする-

    福岡県立大学で嗜癖行動学を研究している四戸智昭です。

ひきこもりからのサバイバー(生還者)の声に学ぶことが大切だと思い、元ひきこもりのこだまこうじさんにエッセイを書いてもらいました。随時掲載の予定です。
今回は、『ひきこもりの継続を強力にする小さな成功体験』というお話。

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今日からゆっくりするぞ。

「フィットボクシング2をやらないぞ」

そう決意してからもやもやしています。

もやもやしつつも流れに任せます。

気づくと外をうろうろしていました。

家にいるとフィットボクシング2(ゲームソフト)があるので外に出ました。

運動しすぎが私の不調の原因なのに自転車でうろうろしています。

疲れます。

でもうろうろします。

「まるで学校にいってたときと同じだなぁ」

「まるで会社に行っていたときと同じだなぁ」

違うことは少しづつでも休めること。

ペースを落とすことができることです。

この線で行こう。

そんなことを思いつつ、今日のところはお疲れ様です。

















こだまこうじ (元ひきこもり。1976年福岡県飯塚市生まれ、同市在住。)


<プロフィール>
 中学時代いじめ被害、高校で不登校に。その後、最初のひきこもり時代を経験。このとき、「キツイから精神科に連れて行って」と親に泣いて希望するも、完全に無視される。周囲から就労を強要され、専門学校へ入学。その後、就労するも就職先の社員寮で動かなくなっているところを発見され、会社は9か月でクビ。4年間の本格的なひきこもり時代に突入。
 その後、保健所の支援でひきこもりから脱出。2009年、保健師にとってまれにみる成功例として福岡県嘉穂・鞍手保健環境事務所の「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーに就任。自立できるほどの収入はないが、ひきこもり当事者家族の話を聴いて支援をすることになる。
 しかし、2020年に国や県がひきこもり当事者への就労支援を加速させることになり、「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーとしてのお役御免となる。
 「死んで地獄に行ったら、鬼に責め苦を喰らい、極楽に行っても悟った超阿弥陀如来に解脱するまで修行させられる」ことを恐れて、今日も何とか生き延びている。

2026/01/09

—ひきこもりサバイバー86 -やらないことに慣れるまで-

   福岡県立大学で嗜癖行動学を研究している四戸智昭です。

ひきこもりからのサバイバー(生還者)の声に学ぶことが大切だと思い、元ひきこもりのこだまこうじさんにエッセイを書いてもらいました。随時掲載の予定です。
今回は、『ひきこもりの継続を強力にする小さな成功体験』というお話。

◆◆◆



「やらないこと」を「決意」して実行するととても不快になります。

まるで自分の価値が下がってしまうのを指をくわえて眺めている気分です。

しかしその価値は「内面的なもの」でしょうか?

それとも「外面的なもの」でしょうか?

「本当に価値が下がっているのでしょうか?」

今までやれたことができなくなることは変化です。

やっていたことをやらないことも変化です。

そして私たちは変化が苦手です。

ただ続けているとそれに「慣れる」能力があります。

「慣れる」までの「もやもや」は表現しづらい感覚です。

私たちはわからないことが「怖い」ので不安になったり、イライラしたりします。

幸いなことに引きこもりの経験がある私はそういう風に考えて流れに任せることがよいと感じられるようになっています。

やらないことになれるまで

「ちょっともやもやしよう」

そう考えながら今日もごろごろしています。



















こだまこうじ (元ひきこもり。1976年福岡県飯塚市生まれ、同市在住。)


<プロフィール>
 中学時代いじめ被害、高校で不登校に。その後、最初のひきこもり時代を経験。このとき、「キツイから精神科に連れて行って」と親に泣いて希望するも、完全に無視される。周囲から就労を強要され、専門学校へ入学。その後、就労するも就職先の社員寮で動かなくなっているところを発見され、会社は9か月でクビ。4年間の本格的なひきこもり時代に突入。
 その後、保健所の支援でひきこもりから脱出。2009年、保健師にとってまれにみる成功例として福岡県嘉穂・鞍手保健環境事務所の「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーに就任。自立できるほどの収入はないが、ひきこもり当事者家族の話を聴いて支援をすることになる。
 しかし、2020年に国や県がひきこもり当事者への就労支援を加速させることになり、「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーとしてのお役御免となる。
 「死んで地獄に行ったら、鬼に責め苦を喰らい、極楽に行っても悟った超阿弥陀如来に解脱するまで修行させられる」ことを恐れて、今日も何とか生き延びている。

 

2026/01/02

—ひきこもりサバイバー85 -やらない苦しみ-

   福岡県立大学で嗜癖行動学を研究している四戸智昭です。

ひきこもりからのサバイバー(生還者)の声に学ぶことが大切だと思い、元ひきこもりのこだまこうじさんにエッセイを書いてもらいました。随時掲載の予定です。
今回は、『ひきこもりの継続を強力にする小さな成功体験』というお話。

◆◆◆



「やらない」ということは「できない」とは違います。

見た目は同じですが中身が違う気がします。

「やらない」は行動は「してない」けれど心は「やらない決意」をしています。

もっとも「できない」も

「できなくてもあきらめていない」状態は「あきらめない決意」をしなくてはいけないし、あきらめるにしても「あきらめる決意」をしなければ成り立たないと言われればそうだなぁと思います。

結局、どちらにも「強い決意」が必要というわけです。

この場合は「どちらも同じ苦しさ」を乗り越える力が「強い決意」となります。

これは「やる」決意も同じでしょう。

今までやってきたことを変えることの何と難しいことかと、ため息が出ます。

ただ「やる」場合に比べ「やらない」ことの方がマイナスな感覚があるのでより難しそうです。

退くも地獄、進むも地獄なら前へ進む方を選んだ方が気楽というか正しそうな感覚があります。

オーバーワークがどんなにダメだとわかっていても会社が「しかたない」と言うように。

ともあれ「やらないこと」が難しいと気づくのは大切なことです。

それに気づけばこそ「コントロールを取り戻そうと悪戦苦闘し、そこに道は開かれる」のだと思えます。


















こだまこうじ (元ひきこもり。1976年福岡県飯塚市生まれ、同市在住。)


<プロフィール>
 中学時代いじめ被害、高校で不登校に。その後、最初のひきこもり時代を経験。このとき、「キツイから精神科に連れて行って」と親に泣いて希望するも、完全に無視される。周囲から就労を強要され、専門学校へ入学。その後、就労するも就職先の社員寮で動かなくなっているところを発見され、会社は9か月でクビ。4年間の本格的なひきこもり時代に突入。
 その後、保健所の支援でひきこもりから脱出。2009年、保健師にとってまれにみる成功例として福岡県嘉穂・鞍手保健環境事務所の「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーに就任。自立できるほどの収入はないが、ひきこもり当事者家族の話を聴いて支援をすることになる。
 しかし、2020年に国や県がひきこもり当事者への就労支援を加速させることになり、「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーとしてのお役御免となる。
 「死んで地獄に行ったら、鬼に責め苦を喰らい、極楽に行っても悟った超阿弥陀如来に解脱するまで修行させられる」ことを恐れて、今日も何とか生き延びている。