福岡県立大学で嗜癖行動学を研究している四戸智昭です。
ひきこもりからのサバイバー(生還者)の声に学ぶことが大切だと思い、元ひきこもりのこだまこうじさんにエッセイを書いてもらいました。随時掲載の予定です。
今回は、『ひきこもりの継続を強力にする小さな成功体験』というお話。
◆◆◆
「やらないこと」を「決意」して実行するととても不快になります。
まるで自分の価値が下がってしまうのを指をくわえて眺めている気分です。
しかしその価値は「内面的なもの」でしょうか?
それとも「外面的なもの」でしょうか?
「本当に価値が下がっているのでしょうか?」
今までやれたことができなくなることは変化です。
やっていたことをやらないことも変化です。
そして私たちは変化が苦手です。
ただ続けているとそれに「慣れる」能力があります。
「慣れる」までの「もやもや」は表現しづらい感覚です。
私たちはわからないことが「怖い」ので不安になったり、イライラしたりします。
幸いなことに引きこもりの経験がある私はそういう風に考えて流れに任せることがよいと感じられるようになっています。
やらないことになれるまで
「ちょっともやもやしよう」
そう考えながら今日もごろごろしています。
こだまこうじ (元ひきこもり。1976年福岡県飯塚市生まれ、同市在住。)
<プロフィール> 中学時代いじめ被害、高校で不登校に。その後、最初のひきこもり時代を経験。このとき、「キツイから精神科に連れて行って」と親に泣いて希望するも、完全に無視される。周囲から就労を強要され、専門学校へ入学。その後、就労するも就職先の社員寮で動かなくなっているところを発見され、会社は9か月でクビ。4年間の本格的なひきこもり時代に突入。 その後、保健所の支援でひきこもりから脱出。2009年、保健師にとってまれにみる成功例として福岡県嘉穂・鞍手保健環境事務所の「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーに就任。自立できるほどの収入はないが、ひきこもり当事者家族の話を聴いて支援をすることになる。 しかし、2020年に国や県がひきこもり当事者への就労支援を加速させることになり、「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーとしてのお役御免となる。 「死んで地獄に行ったら、鬼に責め苦を喰らい、極楽に行っても悟った超阿弥陀如来に解脱するまで修行させられる」ことを恐れて、今日も何とか生き延びている。 |

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