2026/07/31

—ひきこもりサバイバー114 -社協メール-

       福岡県立大学で嗜癖行動学を研究している四戸智昭です。

ひきこもりからのサバイバー(生還者)の声に学ぶことが大切だと思い、元ひきこもりのこだまこうじさんにエッセイを書いてもらいました。随時掲載の予定です。
今回は、『ひきこもりの継続を強力にする小さな成功体験』というお話。

◆◆◆

ひきこもりの子供に包丁を持って襲い掛かった父親が返り討ちにされたニュースを見てから、ひきこもりについて気づいたことを社協にメールするようになりました。

覚悟を決めて襲い掛かってきた親を返り討ちにして、両方が生き残ったという現実は衝撃的でした。

それまでは親が覚悟を決めたら大人しく殺されてあげるのが子供の務めみたいなイメージだったので、救われました。

殺された親は可哀そうで、殺した親も可哀そう。

殺された子供は可哀そうで、殺した子供も可哀そう。

ゼロサムゲーム。

そんな中、ひきこもりの子供が反撃しての痛み分け。

どっちも生き残るという選択。


親も子も両方生き伸びてオッケーだよ!!

ありがたいです。全国のひきこもりの人に知ってほしい知恵です。

このニュースに衝撃を受け、大浦さんにメールしました。

そして、けっこういいと褒めてもらい冊子にまでしてもらったので、調子に乗って今もこういうこまごまとした気づきを送り続けています。

なんとすでに五冊目に入っています。

コツコツ毎日やるのは苦手ですが、気が向いたときにコツコツはできる。

これこそが、ひきこもり気質もしれません。 
























こだまこうじ (元ひきこもり。1976年福岡県飯塚市生まれ、同市在住。)


<プロフィール>
 中学時代いじめ被害、高校で不登校に。その後、最初のひきこもり時代を経験。このとき、「キツイから精神科に連れて行って」と親に泣いて希望するも、完全に無視される。周囲から就労を強要され、専門学校へ入学。その後、就労するも就職先の社員寮で動かなくなっているところを発見され、会社は9か月でクビ。4年間の本格的なひきこもり時代に突入。
 その後、保健所の支援でひきこもりから脱出。2009年、保健師にとってまれにみる成功例として福岡県嘉穂・鞍手保健環境事務所の「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーに就任。自立できるほどの収入はないが、ひきこもり当事者家族の話を聴いて支援をすることになる。
 しかし、2020年に国や県がひきこもり当事者への就労支援を加速させることになり、「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーとしてのお役御免となる。
 「死んで地獄に行ったら、鬼に責め苦を喰らい、極楽に行っても悟った超阿弥陀如来に解脱するまで修行させられる」ことを恐れて、今日も何とか生き延びている。

2026/07/24

—ひきこもりサバイバー113 -パフェを食べに-

    福岡県立大学で嗜癖行動学を研究している四戸智昭です。

ひきこもりからのサバイバー(生還者)の声に学ぶことが大切だと思い、元ひきこもりのこだまこうじさんにエッセイを書いてもらいました。随時掲載の予定です。
今回は、『ひきこもりの継続を強力にする小さな成功体験』というお話。

◆◆◆

コラム、コラムと不安になっています。

せっかくの機会なので今年1年はこっちに専念してもいいかなぁ(←もう50歳)

とか思っているわけですが、そう思うと

「これ書いた方が、伝えた方がいいんじゃないか?」

ということがたくさん出てきます。

しかし、「新聞では書けない系の話だなぁ」なんてこともちらほら。

今まで、面談で記録が残らないからって常識外の説明しまくってたんだなぁとしみじみ。

まあ、原稿を投げたら、その辺りはきっちりと山下さんが整えてくれるので今はほぼ何も考えずに済んでいるんですが・・・

そろそろ気をつけた方がいいかもしれません。

そんなことを考えるのに疲れたので、コラムの原稿料でちょっとお高いパフェを食べに行きました。

季節限定のフルーツパフェです。

平日昼間にパフェだけ食べに行くのはどうかと思いましたが、今年1年はサービス期間だと思って、自分へのご褒美です。←こればっかり言っている(笑)


ただ振り返ってみると、これはあんまりうまい方法ではないように思います。

どこかで書いたかもですが、ひきこもりの人はというか、私は倒れるときは「○○できたらご褒美」の人参方式、「○○まで頑張る」のゴールテープ設定型でやっています。


仕事に就くために毎日、作業所に通うことをやる。きつくても頑張って通う。ふらふらするけど行かないのはダメ。仕事についたら休もう。

――みたいな感じです。


ご褒美じゃなくて、休み方を学ばないとと思っているのですが、なかなかうまくいきません。























こだまこうじ (元ひきこもり。1976年福岡県飯塚市生まれ、同市在住。)


<プロフィール>
 中学時代いじめ被害、高校で不登校に。その後、最初のひきこもり時代を経験。このとき、「キツイから精神科に連れて行って」と親に泣いて希望するも、完全に無視される。周囲から就労を強要され、専門学校へ入学。その後、就労するも就職先の社員寮で動かなくなっているところを発見され、会社は9か月でクビ。4年間の本格的なひきこもり時代に突入。
 その後、保健所の支援でひきこもりから脱出。2009年、保健師にとってまれにみる成功例として福岡県嘉穂・鞍手保健環境事務所の「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーに就任。自立できるほどの収入はないが、ひきこもり当事者家族の話を聴いて支援をすることになる。
 しかし、2020年に国や県がひきこもり当事者への就労支援を加速させることになり、「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーとしてのお役御免となる。
 「死んで地獄に行ったら、鬼に責め苦を喰らい、極楽に行っても悟った超阿弥陀如来に解脱するまで修行させられる」ことを恐れて、今日も何とか生き延びている。

2026/07/17

—ひきこもりサバイバー112 -コラムで難しいこと-

    福岡県立大学で嗜癖行動学を研究している四戸智昭です。

ひきこもりからのサバイバー(生還者)の声に学ぶことが大切だと思い、元ひきこもりのこだまこうじさんにエッセイを書いてもらいました。随時掲載の予定です。
今回は、『ひきこもりの継続を強力にする小さな成功体験』というお話。

◆◆◆

新聞コラムというのは思っていた以上に大変です。


再ひきこもりになってから、いや四戸先生とひきこもり相談会やってた頃から、あんまり自分語りのための自分語りはやっていないので、体験を語るのは難しいです。

昔はたまに保健所とか、楠の会とかでやったこともありましたが、やっぱり「ひきこもりとはこんな感じなんで、ここは誤解しないでほしい!」みたいな話をしてしまっていました。

来ているのは支援者と親御さんなのですが、どうしてもその背後に家で「マジできついよー」といっている当事者の姿がだぶって見えてしまいます。

ここで誤解を解いておくとみんな助かるのではないかと思って自分の体験よりお役立ち情報を話してしまいます。

体験は情報のつまみたいな感じだったと思います。←あくまで体感です(笑)

――私はこうだったんで、たぶんあなたのところもこれで困ってますよ。だからちょっとだけ助けてあげてください。拒否してもありがとうと思ってますよ。新しいカップ麺はうれしいんです――みたいな感じです。

新聞紙面に「新しいカップ麺と季節限定のフルーツとか時間の経過がわかるものを食べさせてあげると気分も時間間隔も随分違ってくる」とか載せたら関係者は喜びそうですが、一般的には意味がないので、やめておいた方がいいんだろうなぁ。

山下さんに「最初は体験ベースで知ってもらわいと届きませんよ」と指摘してもらい、「ふあっ、それはそうだ!」と思ったので、体験ベース体験ベースと唱えているのですが、気づくと「これはこういう思考と習慣から出ていて・・・」なんてところへ行こうとしてしまいます。

これは癖なので、しっかり矯正しつつ共生もしていこうと思います。

ふつうってなんだっけ?は私の基本的な疑問なので、なかなか難しいかもしれませんが。。。

ただコラムを書くようになってから「無理ゲー」とか「めちゃくちゃ」とかを使わなくても、伝えられるものだなぁと感じるようになりました。

フルCGとかVFXじゃなくてもいい映画はできるみたいな感じで、これはこれで面白いのではないかと思っています。

ちょっと社会人してきたのかもしれません(笑)















こだまこうじ (元ひきこもり。1976年福岡県飯塚市生まれ、同市在住。)


<プロフィール>
 中学時代いじめ被害、高校で不登校に。その後、最初のひきこもり時代を経験。このとき、「キツイから精神科に連れて行って」と親に泣いて希望するも、完全に無視される。周囲から就労を強要され、専門学校へ入学。その後、就労するも就職先の社員寮で動かなくなっているところを発見され、会社は9か月でクビ。4年間の本格的なひきこもり時代に突入。
 その後、保健所の支援でひきこもりから脱出。2009年、保健師にとってまれにみる成功例として福岡県嘉穂・鞍手保健環境事務所の「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーに就任。自立できるほどの収入はないが、ひきこもり当事者家族の話を聴いて支援をすることになる。
 しかし、2020年に国や県がひきこもり当事者への就労支援を加速させることになり、「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーとしてのお役御免となる。
 「死んで地獄に行ったら、鬼に責め苦を喰らい、極楽に行っても悟った超阿弥陀如来に解脱するまで修行させられる」ことを恐れて、今日も何とか生き延びている。

2026/07/10

—ひきこもりサバイバー111 -コラムメール-

  福岡県立大学で嗜癖行動学を研究している四戸智昭です。

ひきこもりからのサバイバー(生還者)の声に学ぶことが大切だと思い、元ひきこもりのこだまこうじさんにエッセイを書いてもらいました。随時掲載の予定です。
今回は、『ひきこもりの継続を強力にする小さな成功体験』というお話。

◆◆◆

コラム原稿をメールすると山下さんから「これってどういう意味ですか?」という問い合わせのメールが返ってきます。

面談とかでは「こういうことがあったので」と言った後に反応があります。

話を聞いた人から「何言ってるかわかんないんですけど~」みたいな顔をされるわけです。

そこで、こういうことがあって、ああいう気持ちになって、そういう行動をして、

「たとえるなら、歯が痛くても歯医者行きたくないみたいな気持ちで、精神科に行きたくないんですよ」

というような伝え方をします。

山下さんともこんな感じでやりとりをしています。

「まとめるので、文字数とか気にしないで思ったことを書いていいですよ」

このひとことで、私は救われました。

ガーっと書いて、バーッと送ってもちゃんとした記事になって帰ってくる(笑)

ありがたい、とてもありがたい。













こだまこうじ (元ひきこもり。1976年福岡県飯塚市生まれ、同市在住。)


<プロフィール>
 中学時代いじめ被害、高校で不登校に。その後、最初のひきこもり時代を経験。このとき、「キツイから精神科に連れて行って」と親に泣いて希望するも、完全に無視される。周囲から就労を強要され、専門学校へ入学。その後、就労するも就職先の社員寮で動かなくなっているところを発見され、会社は9か月でクビ。4年間の本格的なひきこもり時代に突入。
 その後、保健所の支援でひきこもりから脱出。2009年、保健師にとってまれにみる成功例として福岡県嘉穂・鞍手保健環境事務所の「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーに就任。自立できるほどの収入はないが、ひきこもり当事者家族の話を聴いて支援をすることになる。
 しかし、2020年に国や県がひきこもり当事者への就労支援を加速させることになり、「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーとしてのお役御免となる。
 「死んで地獄に行ったら、鬼に責め苦を喰らい、極楽に行っても悟った超阿弥陀如来に解脱するまで修行させられる」ことを恐れて、今日も何とか生き延びている。

2026/07/03

—ひきこもりサバイバー110 -謝礼の思い出-

  福岡県立大学で嗜癖行動学を研究している四戸智昭です。

ひきこもりからのサバイバー(生還者)の声に学ぶことが大切だと思い、元ひきこもりのこだまこうじさんにエッセイを書いてもらいました。随時掲載の予定です。
今回は、『ひきこもりの継続を強力にする小さな成功体験』というお話。

◆◆◆

ケーキバイキングのことを思い出しているとき、最初に相談会で謝礼をもらえると決まったときのことを思い出しました。

謝礼をもらったときではなく、謝礼をもらえると決まったときなのは、

「予算が下りたんで、謝礼を払えるようになりました!!」

と保健師さんがめちゃくちゃ喜んでくれていたのが印象的だったからです。

そのときの私は「予算を取るの大変さ」なんかはこれっぽっちもわかってなかったので、「長津さんがこんなに喜んでるんだからいいことなんだろうなぁ」みたいな感じで、相談会をやろうと思いました。

いや、それまでも謝礼なしで、ひきこもり家庭の親御さんたちに体験談を話したりしていたので、やることはやってはいたかもしれませんが、それだけならここまで続かなかったでしょう。

それだけ印象深かったというかパワーがあったわけです。

説明は難しいですが、凄かった(笑)


ちなみに私は人の名前と顔が一致しないタイプなので、この印象は完全に雰囲気だったりします。

けっこう「○○ですよ」と言われるまで、いや言われてからもピンと来なくて家に帰って思い出すなんてことが日常です。

長津さんと会ってもたぶんわからない(笑)


















こだまこうじ (元ひきこもり。1976年福岡県飯塚市生まれ、同市在住。)


<プロフィール>
 中学時代いじめ被害、高校で不登校に。その後、最初のひきこもり時代を経験。このとき、「キツイから精神科に連れて行って」と親に泣いて希望するも、完全に無視される。周囲から就労を強要され、専門学校へ入学。その後、就労するも就職先の社員寮で動かなくなっているところを発見され、会社は9か月でクビ。4年間の本格的なひきこもり時代に突入。
 その後、保健所の支援でひきこもりから脱出。2009年、保健師にとってまれにみる成功例として福岡県嘉穂・鞍手保健環境事務所の「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーに就任。自立できるほどの収入はないが、ひきこもり当事者家族の話を聴いて支援をすることになる。
 しかし、2020年に国や県がひきこもり当事者への就労支援を加速させることになり、「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーとしてのお役御免となる。
 「死んで地獄に行ったら、鬼に責め苦を喰らい、極楽に行っても悟った超阿弥陀如来に解脱するまで修行させられる」ことを恐れて、今日も何とか生き延びている。