福岡県立大学で嗜癖行動学を研究している四戸智昭です。
ひきこもりからのサバイバー(生還者)の声に学ぶことが大切だと思い、元ひきこもりのこだまこうじさんにエッセイを書いてもらいました。随時掲載の予定です。
今回は、『ひきこもりの継続を強力にする小さな成功体験』というお話。
◆◆◆
「何かあれば」
「いや、大丈夫です」
というのは日々の生活では反射的に言っている言葉です。
しかし、コラムメールで「何かあれば・・・」と言われると
つい「何か間違っているところあったっけ?」と探してしまいます。
結果として、細かいことを配慮しようとして、コラムを薄味にしてしまいがちです。
これはコラムだけではなく、講演とか動画とかブログを書く時にもよく起こります。
なんでだろう?
と考えてみると、日常のものは他人が作ってくれているのでふつうにありがたいと思っているので、
「そのままでいいよ」
ができていて、
コラムとか講演とか動画とかブログの場合は自分が根っこを作っているので、「どう?」と言われると、なんかまずかったのかなぁと思い、
「もうちょっと何とかしないとダメなんじゃないか」
と修正してしまうようです。
そして、修正後にはいつも
「いや、なおそうとしたところはわかるんだけど、前のやつの方がよかった」
みたいなことを言われています。
「ごめん、俺が全面的に悪かったわ。元のやつに戻して」
なんてことを言われたことも・・・
私はどうも反射的に「訂正しないといけない」と思うようです。
そして、とにかく目に付くところを削ってしまいます。
簡単に言うとせっかくのとがった部分、心に刺さる部分の切っ先を丸めてしまうわけです。
何度もコラムメールのやり取りをすることで、改めてそんなことに気付きました。
こういう気づきはありがたいです。
いまさらという気もしますが、自分の基準をもう少しだけ信頼できるようになった方がいいのかもしれません。
何もやってないんで何かやりたいだけかもしれませんが・・・
こだまこうじ (元ひきこもり。1976年福岡県飯塚市生まれ、同市在住。)
<プロフィール> 中学時代いじめ被害、高校で不登校に。その後、最初のひきこもり時代を経験。このとき、「キツイから精神科に連れて行って」と親に泣いて希望するも、完全に無視される。周囲から就労を強要され、専門学校へ入学。その後、就労するも就職先の社員寮で動かなくなっているところを発見され、会社は9か月でクビ。4年間の本格的なひきこもり時代に突入。 その後、保健所の支援でひきこもりから脱出。2009年、保健師にとってまれにみる成功例として福岡県嘉穂・鞍手保健環境事務所の「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーに就任。自立できるほどの収入はないが、ひきこもり当事者家族の話を聴いて支援をすることになる。 しかし、2020年に国や県がひきこもり当事者への就労支援を加速させることになり、「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーとしてのお役御免となる。 「死んで地獄に行ったら、鬼に責め苦を喰らい、極楽に行っても悟った超阿弥陀如来に解脱するまで修行させられる」ことを恐れて、今日も何とか生き延びている。 |

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