福岡県立大学で嗜癖行動学を研究している四戸智昭です。
ひきこもりからのサバイバー(生還者)の声に学ぶことが大切だと思い、元ひきこもりのこだまこうじさんにエッセイを書いてもらいました。随時掲載の予定です。
今回は、『ひきこもりの継続を強力にする小さな成功体験』というお話。
◆◆◆
仕事を辞めて手続きが終わってからはひきこもり生活が始まります。
その間に私が頑張ったことはいろいろあります。
ただ現在はひきこもり生活四か月目なのでやってきたことを一つずつ。
最初に私が頑張ったのは「リフレッシュ行動」でした。
とても困ったことですがこのころは判断力が低下していたので「休むため」に時間を使うことより「仕事をしていた時にはできなかった楽しいことをやりリフレッシュするんだ」という考え方で頭がカチコチでした。
ぽっかり空いた空白の仕事時間をまた「リフレッシュ」という一つのことに消費して頑張らなければいかないと考えていました。
そのときは今まで「仕事で疲れ」て「リフレッシュを頑張って」疲れを大きくしてきたことに気づけませんでした。
前に気付いてブログに書いているのに、できませんでした。
成長したと自分で自分を褒めたのに・・・
「何かやっていれば何とかなる」
「何かやってないと社会的に怒られる」
という考え方はとても強いかったです。
今の社会を競争社会だと考えれば私が何もしないことによって努力している人は「しめしめもっと差をつけてやる」と思ってくれるはずなのに・・・。
社会が許容してくれるなら「しっかり休んで超OK」のはずですが
私としても「今の状態はダメ。元気になるためいったん休もう」と思って仕事辞めたはずなのですが
一人でいるとそわそわしてしまいます。
努力とは習慣である。
習慣になってしまったことをやめるのには努力が必要
仕事をやめて四か月がたった今やっとそう思えるようになりました。
こだまこうじ (元ひきこもり。1976年福岡県飯塚市生まれ、同市在住。)
<プロフィール> 中学時代いじめ被害、高校で不登校に。その後、最初のひきこもり時代を経験。このとき、「キツイから精神科に連れて行って」と親に泣いて希望するも、完全に無視される。周囲から就労を強要され、専門学校へ入学。その後、就労するも就職先の社員寮で動かなくなっているところを発見され、会社は9か月でクビ。4年間の本格的なひきこもり時代に突入。 その後、保健所の支援でひきこもりから脱出。2009年、保健師にとってまれにみる成功例として福岡県嘉穂・鞍手保健環境事務所の「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーに就任。自立できるほどの収入はないが、ひきこもり当事者家族の話を聴いて支援をすることになる。 しかし、2020年に国や県がひきこもり当事者への就労支援を加速させることになり、「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーとしてのお役御免となる。 「死んで地獄に行ったら、鬼に責め苦を喰らい、極楽に行っても悟った超阿弥陀如来に解脱するまで修行させられる」ことを恐れて、今日も何とか生き延びている。 |
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