2011/06/08

なぜインターネット依存になる必要があるのか?

インターネット依存については、学生も興味をもつテーマである。
学部の一年生が教養ゼミで研究するテーマにも、インターネット依存がテーマに挙がっている。
彼らは、丁寧にインターネット依存が引き起こす具体的な問題を挙げていった。


例えば、
インターネット依存が原因で夫婦間のコミュニケーション時間が減り、離婚につながることが問題。
インターネット依存により、学生の学習時間が減少するため成績低下を引き起こすことが問題。
インターネット依存によって、社会人の仕事に対する意欲が低下することが問題。
インターネット依存によって、家族や友人とのコミュニケーション不足を引き起こすことが問題。

などなど、インターネット依存による問題を挙げていくと枚挙に暇がない。

ところで、いつも思うが、依存による問題を挙げていくのは、あまり重要なことではないと思っている。

重要なことは、「どうしてインターネット依存になる必要がその人にあるのか?」である。
上記の例で言えば、

夫婦での対面を避けるために、インターネットを利用しているに過ぎない可能性がある。夫婦でコミュニケーションを取ってしまうと、離婚せざるを得ない。離婚すると、子どもに悪影響があると考えている夫、あるいは、離婚すると家をでなければならないと考える妻にとっては、インターネットに依存するのは、むしろ好都合ということになる。

学生にとってみれば、一所懸命勉強したところで、希望の就職先に内定がもらえるというのはなかなか厳しい現実である。現実を見つめるくらいなら、インターネットの仮想現実の社会をさまよっている方が、精神安定にはちょうどいい。

なぜ、○○依存になる必要がその人にあるのか?これは、あらゆる依存を考える際に必要な視点である。