このところ、毎年1年生に、”インターネット問題”のお題を出している。
「インターネット関連の問題なら何でもよいので、探してください。」というお題である。
毎年取り上げられる問題に、インターネットを利用したいじめの問題が取り上げられる。
つい半年前までは高校生だった彼らが取り上げる課題だから、おそらく自分たちも見たり聞いたりした
実際の経験から、この問題が取り上げられるのかもしれない。
ネットいじめに関して、近年随分と関連図書が出版されるようになった。
それだけ、中学校や高校の教育現場では、深刻な問題なのだろう。
これは、大学一年生の教養演習を受講するとあるグループの企画書。
中学生のインターネット上での誹謗中傷を減らすための具体的提案を、学校の先生にします。という企画だ。
なかなか興味深い企画書だと思う。再来月頃には、その具体的な提案を紹介できると思うが、
様々な図書でも、またこの学生たちの企画書でも、ネットでの誹謗中傷が問題で、それを解決しなければならないという論点が随分と多い。
どうして、今の中学生が、あるいは高校生がネットでの誹謗中傷という加害行為を必要とするのか?という視点に若干欠けているような気がする。
ネットでのいじめ(誹謗中傷)に限らず、いじめをする加害者の心理はとても似ている。
水が高いところから低いところに流れるように、加害者の怒りという感情も、加害者が誹謗中傷してもしっぺ返しを喰らわないところに向かって感情が向けられる。
怒りがどこから湧いてくるのか?これは、加害者の学校生活だけに原因があるわけではない。家庭生活はもちろん、学校生活、塾、友だち、。。。。
彼らが、これらの関係の中で、無理な自分を演出するとき、その演出が報われない時、怒りが沸き起こる。
問題なのは怒りの感情ではない。怒りをどうやって表現するかである。
学校に限らず、家庭生活でも、友だち関係でも、適切な怒り表現のトレーニングをした方がいい。
そういえば、高校生は「国語表現」という科目があるらしい。これと同じで、「怒り表現」という科目を授業の中に設定してはどうだろうか。