2025/09/19

—ひきこもりサバイバー70 ー出戻りひきこもり休むを意識する-

   福岡県立大学で嗜癖行動学を研究している四戸智昭です。

ひきこもりからのサバイバー(生還者)の声に学ぶことが大切だと思い、元ひきこもりのこだまこうじさんにエッセイを書いてもらいました。随時掲載の予定です。
今回は、『ひきこもりの継続を強力にする小さな成功体験』というお話。

◆◆◆

14年と3か月ぶりにひきこもりに戻ってから二か月目には雇用保険受給認定日がありました。

市のハローワークに行き、障碍者窓口へ行って二階へ行きます。

障碍者窓口で私が「何か資格でも取らないとどうしようもないからそういうものはありませんか?」と尋ねると「資格を取るための作業はフルタイムなので今の状態では・・・。気持ちはわかりますがあせらずにゆっくり行きましょう」と優しく言われました。

人の言葉に流されやすい素直さを持つ私はここでやっと「そっか、あせって頑張りすぎてこうなったんだ」と気づきます。

気づいたのでさっそく「心」「疲れ」「休む」「眠り」でブックオフオンラインを検索し、200円くらいの本を20冊くらい注文しました。

マインドフルネス、アサーション、睡眠、筋トレ、心が楽になる気功までとりあえず心と体を休める方法を知ることを目標にしました。

結論としてはまずは寝ること、睡眠時間を記録していくと「無理やりリフレッシュ」のために平均して一日5時間も眠れていないことに気づきました。

まずは七時間眠れるようにするが目標となりました。









こだまこうじ (元ひきこもり。1976年福岡県飯塚市生まれ、同市在住。)


<プロフィール>
 中学時代いじめ被害、高校で不登校に。その後、最初のひきこもり時代を経験。このとき、「キツイから精神科に連れて行って」と親に泣いて希望するも、完全に無視される。周囲から就労を強要され、専門学校へ入学。その後、就労するも就職先の社員寮で動かなくなっているところを発見され、会社は9か月でクビ。4年間の本格的なひきこもり時代に突入。
 その後、保健所の支援でひきこもりから脱出。2009年、保健師にとってまれにみる成功例として福岡県嘉穂・鞍手保健環境事務所の「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーに就任。自立できるほどの収入はないが、ひきこもり当事者家族の話を聴いて支援をすることになる。
 しかし、2020年に国や県がひきこもり当事者への就労支援を加速させることになり、「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーとしてのお役御免となる。
 「死んで地獄に行ったら、鬼に責め苦を喰らい、極楽に行っても悟った超阿弥陀如来に解脱するまで修行させられる」ことを恐れて、今日も何とか生き延びている。

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