福岡県立大学で嗜癖行動学を研究している四戸智昭です。
ひきこもりからのサバイバー(生還者)の声に学ぶことが大切だと思い、元ひきこもりのこだまこうじさんにエッセイを書いてもらいました。随時掲載の予定です。
今回は、『ひきこもりの継続を強力にする小さな成功体験』というお話。
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目標を七時間睡眠に定めてそのために頑張りましたがなかなかうまくいきません。
なぜかというと今まで足りていなかった睡眠不足の借金がいっぱいあるからです。
徹夜した次の日はまる一日眠いけど頑張って起きてるとその睡眠不足は必要睡眠分からマイナスされるという考え方です。
健康を給料としたら眠らないと給料が減ってできることが少なくなります。
できることが少なくなるので眠りの借金をします。
するとさらに健康給料がマイナスになって・・・。
私のようになる、というわけです。
大変ですが眠りまくれば返せる借金なので眠さを感じたらすぐ目を閉じて少しでも眠ることができる今なら返しやすい借金です。
完全に返すと今度は夜4時間くらいしか眠れなくなるのですが朝はすっきり目が覚めるという経験をしました。
もっともそんなシビアなノルマを続けるのは大変で結局、毎日寝まくった私の睡眠時間は不定期更新になりました(笑)。
こだまこうじ (元ひきこもり。1976年福岡県飯塚市生まれ、同市在住。)
<プロフィール> 中学時代いじめ被害、高校で不登校に。その後、最初のひきこもり時代を経験。このとき、「キツイから精神科に連れて行って」と親に泣いて希望するも、完全に無視される。周囲から就労を強要され、専門学校へ入学。その後、就労するも就職先の社員寮で動かなくなっているところを発見され、会社は9か月でクビ。4年間の本格的なひきこもり時代に突入。 その後、保健所の支援でひきこもりから脱出。2009年、保健師にとってまれにみる成功例として福岡県嘉穂・鞍手保健環境事務所の「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーに就任。自立できるほどの収入はないが、ひきこもり当事者家族の話を聴いて支援をすることになる。 しかし、2020年に国や県がひきこもり当事者への就労支援を加速させることになり、「ひきこもり家族相談会」のアドバイザーとしてのお役御免となる。 「死んで地獄に行ったら、鬼に責め苦を喰らい、極楽に行っても悟った超阿弥陀如来に解脱するまで修行させられる」ことを恐れて、今日も何とか生き延びている。 |
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